コイワズライ
『隼人のくせに!』…ヘタレ男子×世話焼き女子
1
幼なじみという男女関係は恋愛感情がうまれにくい。幼い頃から兄妹(姉弟)のように過ごしてきたのなら尚更。マンガやドラマなどの幼なじみ→恋人というケースは現実世界では非常に稀なのだ。
私の幼なじみ隼人は彼女いない歴=年齢という純情少年。純情少年というと聞こえはいいが、彼は自分の殻に閉じこもった妄想爆発ポエム野郎なのだ。タイプの人を見かけるとすぐに好きになり、その人が少しでも自分の理想から外れると勝手に幻滅して勝手に失恋。そしてその一部始終をポエムとして書き綴っている。まるで恋に恋する乙女である。
そしてまた一つ、ポエムノートに失恋の詞が書き足されていた。また勝手に失恋したのだろう。
「隼人~また失恋?」
机に突っ伏している隼人の頭をポンポン叩き、彼の前の席に座る。
「へ?なんで?」
「だって明らかに落ち込んでるもん」
「歩は全部お見通しだな」
「アンタのことならなんでもわかるよ。幼なじみだからね」
ポエムノートをみたなんて口が裂けても言えない。
「隼人また失恋?」
隼人の隣の席の冬馬が呆れ顔で隼人をみている。
「ほっとけ。どうせ俺なんか…」
また机に突っ伏してしまった。
冬馬と顔を見合わせてため息をつく。
「理想が高すぎるんじゃない?」
「さすが冬馬、よくわかってる」
「もうさ、歩と付き合えばいいよ」
「なにその投げやりな感じ」
「いや、真面目に。だって隼人のこと一番理解してるのって歩でしょ?これ以上の相手はいないと思うよ」
「うん。私も薄々勘付いてたよ、それ。こんな面倒くさい奴の相手は私以外つとまらないって」
「よし。これでめでたしめでたし~」
突然ムクリと起き上がり冬馬と私を睨む隼人。
「めでたしくない!気持ち悪いこと言うなよ」
立ち上がり教室を出て行ってしまった。
「そうなんだよ。世の中そんなうまくいかないんだよね」
「だよね。早く隼人がちゃんと恋愛できるといいね」
「ははは、当分は無理っぽいけどね」
そしてまた2人で顔を見合わせてため息をついた。
隼人と私の間には恋愛感情が存在しない。いくら隼人の彼女をつとめる自信があっても、こればかりは努力云々では解決できない。だいたい彼女は“つとめる”ものじゃないし。
冬馬も私も、そんな隼人を心配している。早く隼人にぴったりの人が現れればいいのに。
私の幼なじみ隼人は彼女いない歴=年齢という純情少年。純情少年というと聞こえはいいが、彼は自分の殻に閉じこもった妄想爆発ポエム野郎なのだ。タイプの人を見かけるとすぐに好きになり、その人が少しでも自分の理想から外れると勝手に幻滅して勝手に失恋。そしてその一部始終をポエムとして書き綴っている。まるで恋に恋する乙女である。
そしてまた一つ、ポエムノートに失恋の詞が書き足されていた。また勝手に失恋したのだろう。
「隼人~また失恋?」
机に突っ伏している隼人の頭をポンポン叩き、彼の前の席に座る。
「へ?なんで?」
「だって明らかに落ち込んでるもん」
「歩は全部お見通しだな」
「アンタのことならなんでもわかるよ。幼なじみだからね」
ポエムノートをみたなんて口が裂けても言えない。
「隼人また失恋?」
隼人の隣の席の冬馬が呆れ顔で隼人をみている。
「ほっとけ。どうせ俺なんか…」
また机に突っ伏してしまった。
冬馬と顔を見合わせてため息をつく。
「理想が高すぎるんじゃない?」
「さすが冬馬、よくわかってる」
「もうさ、歩と付き合えばいいよ」
「なにその投げやりな感じ」
「いや、真面目に。だって隼人のこと一番理解してるのって歩でしょ?これ以上の相手はいないと思うよ」
「うん。私も薄々勘付いてたよ、それ。こんな面倒くさい奴の相手は私以外つとまらないって」
「よし。これでめでたしめでたし~」
突然ムクリと起き上がり冬馬と私を睨む隼人。
「めでたしくない!気持ち悪いこと言うなよ」
立ち上がり教室を出て行ってしまった。
「そうなんだよ。世の中そんなうまくいかないんだよね」
「だよね。早く隼人がちゃんと恋愛できるといいね」
「ははは、当分は無理っぽいけどね」
そしてまた2人で顔を見合わせてため息をついた。
隼人と私の間には恋愛感情が存在しない。いくら隼人の彼女をつとめる自信があっても、こればかりは努力云々では解決できない。だいたい彼女は“つとめる”ものじゃないし。
冬馬も私も、そんな隼人を心配している。早く隼人にぴったりの人が現れればいいのに。