コイワズライ
『プラス2年の片想い』…不憫男子×奥手女子
1
「美羽何番?」
「8番」
「いいなぁ~窓際一番後ろ!」
「えへへ~」
席替えのクジを引くと一番後ろの席になってしまった。仲良しのユリとは離れ離れ。喋れる女子が近くにいるといいけど。
教科書や筆記具類を手に移動する。窓際の一番後ろの席、私の新しい居場所に腰かけ窓からの景色を眺めた。
(あ~今日も空が青いなぁ~お天気もいいし眠くなっちゃう。この席、最高だなぁ~)
「なにニヤニヤしてんの?」
つんっと額を突かれて驚いて前をみると、同じくニヤニヤ顔の仁が座っている。
「わ!仁この席!?よかった~喋れる人いなかったらどうしようかと思ってたんだよね~」
「席替えぐらいで大げさだろ!なぁ、朔?」
(え?今、朔って言った?)
仁の視線の先をゆっくりと追っていくと…なんとまぁ私の隣に如月朔。
目が合うと困ったように笑うから、私もなんだか申し訳なくてふいっと視線をそらしてしまった。
「え?お前ら仲悪いの?」
(なんでこうデリカシーってもんがないのかしら男子って!!)
「いや、悪くないよ」
(よくもないけど)
ふ~ん、と興味なさそうに頷いて仁が前を向いたので助かった。
***
1時間目が終わりトイレに行って戻ってくると私の隣の席に直が座ってスマホをいじっていた。
(ひぃぃ!なぜコイツが!?)
朔の姿を探すと一番前の席に座って友達と楽しそうに話している。ゆっくりと朔に近付いていくと私に気付いて、なに?と声をかけてくれた。
「えっと、もしかして直と席替わったの?」
「そうだけど?」
「あ、そうなんだ…」
「嫌だった?」
「う~ん…」
朔がちょいちょいと手招きしてきて近寄ると、苦手なの?と耳打ちされ、ウンウンと力強く頷いた。
「戻れないよね?」
ガタンッと勢いよく席を立ったので驚いていたら、一目散に直のところへ向かう朔。直に向かって手を合わせて謝っているようだ。直は渋々立ち上がり荷物を持ってこちらへやって来た。不機嫌極まりない様子でドンっと机上に荷物を置く。そして私の顔をみるなり口を開いた。
「席、朔の隣なの?」
「(怖い怖い怖い)うん」
なるほどね、と呟いて朔の私物を私に手渡す。持っていけってこと?
朔の私物を手に席に戻り朔に手渡すとお礼を言われた。
「私もありがとう」
朔は嬉しそうに笑った。
「8番」
「いいなぁ~窓際一番後ろ!」
「えへへ~」
席替えのクジを引くと一番後ろの席になってしまった。仲良しのユリとは離れ離れ。喋れる女子が近くにいるといいけど。
教科書や筆記具類を手に移動する。窓際の一番後ろの席、私の新しい居場所に腰かけ窓からの景色を眺めた。
(あ~今日も空が青いなぁ~お天気もいいし眠くなっちゃう。この席、最高だなぁ~)
「なにニヤニヤしてんの?」
つんっと額を突かれて驚いて前をみると、同じくニヤニヤ顔の仁が座っている。
「わ!仁この席!?よかった~喋れる人いなかったらどうしようかと思ってたんだよね~」
「席替えぐらいで大げさだろ!なぁ、朔?」
(え?今、朔って言った?)
仁の視線の先をゆっくりと追っていくと…なんとまぁ私の隣に如月朔。
目が合うと困ったように笑うから、私もなんだか申し訳なくてふいっと視線をそらしてしまった。
「え?お前ら仲悪いの?」
(なんでこうデリカシーってもんがないのかしら男子って!!)
「いや、悪くないよ」
(よくもないけど)
ふ~ん、と興味なさそうに頷いて仁が前を向いたので助かった。
***
1時間目が終わりトイレに行って戻ってくると私の隣の席に直が座ってスマホをいじっていた。
(ひぃぃ!なぜコイツが!?)
朔の姿を探すと一番前の席に座って友達と楽しそうに話している。ゆっくりと朔に近付いていくと私に気付いて、なに?と声をかけてくれた。
「えっと、もしかして直と席替わったの?」
「そうだけど?」
「あ、そうなんだ…」
「嫌だった?」
「う~ん…」
朔がちょいちょいと手招きしてきて近寄ると、苦手なの?と耳打ちされ、ウンウンと力強く頷いた。
「戻れないよね?」
ガタンッと勢いよく席を立ったので驚いていたら、一目散に直のところへ向かう朔。直に向かって手を合わせて謝っているようだ。直は渋々立ち上がり荷物を持ってこちらへやって来た。不機嫌極まりない様子でドンっと机上に荷物を置く。そして私の顔をみるなり口を開いた。
「席、朔の隣なの?」
「(怖い怖い怖い)うん」
なるほどね、と呟いて朔の私物を私に手渡す。持っていけってこと?
朔の私物を手に席に戻り朔に手渡すとお礼を言われた。
「私もありがとう」
朔は嬉しそうに笑った。