コイワズライ
2
朔とは中学が一緒でとても仲の良い友達だった。なぜ過去形かというと…中3の時、私は朔に好きだと告白された。当時私は恋愛に興味がなく、好きだと言われて困り果て、なにも言えずにいると朔が一言「ごめん」と寂しそうに笑って去って行った。
それ以来、あの寂しそうな笑顔と去って行く朔の後ろ姿が目に焼き付いて、私は朔を意識するようになった。
高校に入学してからは接点がなく話をすることもなかったのに2年になって同じクラスでしかも今は隣の席。どうしたらいいのかわからない。直よりは数倍マシだけど。
「ちょっと美羽、話聞いてる?」
「え?なんだっけ?」
「も~ぼんやりしすぎ!先輩が誰か紹介してって言ってるんだけど、美羽彼氏ほしいって言ってたよね?」
「あれ?そんなこと言ったっけ?」
「言ったじゃん!だから、美羽のこと紹介しといたから」
「へ?」
「放課後、駅前のマックで待ってるって!先輩の自撮り送るね!がんばってね~」
「ちょっとユリ!事後報告やめてって言っーー」
鼻歌を歌いながら自分の席に戻っていった。
(あ~そういうの苦手なんだよね…でもユリの顔を潰すわけにもいかないし行くだけ行ってみるか)
ユリから送られてきた先輩とやらの自撮りをみてみると茶髪ロンゲで前髪ちょんまげのウィンクでペコちゃんよろしくベロをだして決めポーズ。
「かるっ!」
おもわず声にだしていたみたいで仁がなになに?とスマホを覗き込むものだから慌ててスマホを隠した。不安でしかない。
***
放課後、重い足取りでマックに向かうと予想通りの軽い容姿の先輩とやらが軽い口調で話しかけてきて、今、既に1時間が経過している。とっくに空になったジュースのカップ、氷も溶けきって吸うものがなくなってしまった。新しくジュースを買いたいのに席を立つタイミングがわからない。それくらい目の前の先輩は息つく暇もなくしゃべり続けている。よくもまぁ初対面の人を相手にこんなにしゃべり続けていられるなぁと感心するほどだ。私は時々笑って相槌をうつだけ。楽しいはずがない。
「ちょっとトイレ」
やっと席を立ったので安心して大きな溜め息をはいた。辛い。辛すぎる。早く帰りたい。
「おぉ!美羽~!」
名前を呼ばれて振り返るとトレーにメガサイズのセットを載せた仁がいた。
「仁~~~!!アンタは私の神様だよ~~~!!」
「は?」
それ以来、あの寂しそうな笑顔と去って行く朔の後ろ姿が目に焼き付いて、私は朔を意識するようになった。
高校に入学してからは接点がなく話をすることもなかったのに2年になって同じクラスでしかも今は隣の席。どうしたらいいのかわからない。直よりは数倍マシだけど。
「ちょっと美羽、話聞いてる?」
「え?なんだっけ?」
「も~ぼんやりしすぎ!先輩が誰か紹介してって言ってるんだけど、美羽彼氏ほしいって言ってたよね?」
「あれ?そんなこと言ったっけ?」
「言ったじゃん!だから、美羽のこと紹介しといたから」
「へ?」
「放課後、駅前のマックで待ってるって!先輩の自撮り送るね!がんばってね~」
「ちょっとユリ!事後報告やめてって言っーー」
鼻歌を歌いながら自分の席に戻っていった。
(あ~そういうの苦手なんだよね…でもユリの顔を潰すわけにもいかないし行くだけ行ってみるか)
ユリから送られてきた先輩とやらの自撮りをみてみると茶髪ロンゲで前髪ちょんまげのウィンクでペコちゃんよろしくベロをだして決めポーズ。
「かるっ!」
おもわず声にだしていたみたいで仁がなになに?とスマホを覗き込むものだから慌ててスマホを隠した。不安でしかない。
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放課後、重い足取りでマックに向かうと予想通りの軽い容姿の先輩とやらが軽い口調で話しかけてきて、今、既に1時間が経過している。とっくに空になったジュースのカップ、氷も溶けきって吸うものがなくなってしまった。新しくジュースを買いたいのに席を立つタイミングがわからない。それくらい目の前の先輩は息つく暇もなくしゃべり続けている。よくもまぁ初対面の人を相手にこんなにしゃべり続けていられるなぁと感心するほどだ。私は時々笑って相槌をうつだけ。楽しいはずがない。
「ちょっとトイレ」
やっと席を立ったので安心して大きな溜め息をはいた。辛い。辛すぎる。早く帰りたい。
「おぉ!美羽~!」
名前を呼ばれて振り返るとトレーにメガサイズのセットを載せた仁がいた。
「仁~~~!!アンタは私の神様だよ~~~!!」
「は?」