コイワズライ
5
目をぱちくりさせている先輩。ちゃんと伝わらなかったのかな?
「私、先輩のこと好きじゃありません!」
もう一度、先輩の目をみてハッキリと告げた。先輩の表情はみるみるうちに変わり、握られていた手を乱暴に離された。
「は?こっちだって別に好きじゃないし。ユリがどうしてもって言うから相手してやったのに、なに勘違いしちゃってんの?」
「え?(なにこの豹変っぷり)」
「だいたいさ、高2にもなって付き合ったことないってなに純粋ぶってんの?今時はやんないから、そういうの」
「はい?」
「マジめんどくせぇ~」
そう言って去って行く先輩の後ろ姿をみてふつふつと怒りがこみあげてきた。かと言って言い返す言葉が思い浮かばない。悔しい。
ぎゅっと拳を握りしめギリギリと歯を食いしばっているとポンポンと頭を撫でられた。振り向くと朔がパックジュースを飲み終えてストローをズルズルいわせていた。
「よく頑張りました」
笑顔で私の頭をもう一度撫でると右手に持っていた空のパックをグシャッと潰し、去っていく先輩の頭めがけて投げた。
スコーンと見事に命中し潰れたパックが地面に落ちる。ぐるんっとこちらを向いた先輩がドスドスと向かってきて朔の胸倉をつかんだ。
(やばい!修羅場だ!)
「アンタいい加減にしなさいよ」
先輩が朔を殴ろうとしたその瞬間、どこからともなくキレイな女子が現れ、その声を聞いた先輩はぴたっと動きが止まった。
「ユ、ユウさん!?」
そのキレイな女子がスタスタとやってきて先輩の耳をひっぱり連行していった。一体なんだったの?
「あのキレイな人、先輩の彼女だってさ」
「えーーー!?」
朔によると、あの軽々しい先輩はあんなキレイな彼女がいるにも関わらずいろんな女子に手を出して遊んでいたらしい。あの先輩が遊び人っていうのは納得できるけど、なんであんなのにあんなキレイな彼女がいるの!?世の中ってよくわからない…
「そういえば朔、いつからいたの?」
「え?あー美羽が心配で…」
「ふふっ、ありがとね!朔のおかげでスッキリした!」
「もっと早く助けてあげられたらよかったんだけど…」
またあの寂しそうな笑顔を浮かべる。ぎゅっと胸の奥を掴まれたみたいに苦しくなって、朔の寂しい笑顔をみていられなくて、朔の手を握った。
「私、先輩のこと好きじゃありません!」
もう一度、先輩の目をみてハッキリと告げた。先輩の表情はみるみるうちに変わり、握られていた手を乱暴に離された。
「は?こっちだって別に好きじゃないし。ユリがどうしてもって言うから相手してやったのに、なに勘違いしちゃってんの?」
「え?(なにこの豹変っぷり)」
「だいたいさ、高2にもなって付き合ったことないってなに純粋ぶってんの?今時はやんないから、そういうの」
「はい?」
「マジめんどくせぇ~」
そう言って去って行く先輩の後ろ姿をみてふつふつと怒りがこみあげてきた。かと言って言い返す言葉が思い浮かばない。悔しい。
ぎゅっと拳を握りしめギリギリと歯を食いしばっているとポンポンと頭を撫でられた。振り向くと朔がパックジュースを飲み終えてストローをズルズルいわせていた。
「よく頑張りました」
笑顔で私の頭をもう一度撫でると右手に持っていた空のパックをグシャッと潰し、去っていく先輩の頭めがけて投げた。
スコーンと見事に命中し潰れたパックが地面に落ちる。ぐるんっとこちらを向いた先輩がドスドスと向かってきて朔の胸倉をつかんだ。
(やばい!修羅場だ!)
「アンタいい加減にしなさいよ」
先輩が朔を殴ろうとしたその瞬間、どこからともなくキレイな女子が現れ、その声を聞いた先輩はぴたっと動きが止まった。
「ユ、ユウさん!?」
そのキレイな女子がスタスタとやってきて先輩の耳をひっぱり連行していった。一体なんだったの?
「あのキレイな人、先輩の彼女だってさ」
「えーーー!?」
朔によると、あの軽々しい先輩はあんなキレイな彼女がいるにも関わらずいろんな女子に手を出して遊んでいたらしい。あの先輩が遊び人っていうのは納得できるけど、なんであんなのにあんなキレイな彼女がいるの!?世の中ってよくわからない…
「そういえば朔、いつからいたの?」
「え?あー美羽が心配で…」
「ふふっ、ありがとね!朔のおかげでスッキリした!」
「もっと早く助けてあげられたらよかったんだけど…」
またあの寂しそうな笑顔を浮かべる。ぎゅっと胸の奥を掴まれたみたいに苦しくなって、朔の寂しい笑顔をみていられなくて、朔の手を握った。