コイワズライ
『優しい彼がそっけない理由』…優等生ツンツン後輩×美人副会長
1
「ごめんなさい。今は誰とも付き合う気がなくて」
隣のクラスの男子に呼び出されたと思ったら案の定告白された。サッカー部の爽やか系イケメンでかなりの優良物件だけれど、なんとなく合わないと思った。
「また告白されたんですか?」
呼び出された中庭から生徒会室へ戻ると冬馬がノートパソコンの画面を睨みつけながら声をかけてきた。
「やぁだ。冬馬見てたの?」
はい、さっき通りすがりに、と呟いてカタカタとキーボードを打ち始める。
「文化祭の予算案?」
ノートパソコンの画面を覗き込むと事細かに項目が分けられており、ちょうどそれらに予算を振り分けているところだった。
「このままじゃ赤字ですよ」
ため息をつきながら数字を打ち込んでいく冬馬。
「その為の会計係でしょ?冬馬^ ^」
「…………」
「なによ~汚いもの見るみたいな目付きしないでよ」
「ははは。で、さっきの人と付き合うんですか?」
「う~ん、どうしよっかな~(本当はもう断っちゃったけど)」
「…そういうの、よくないと思います」
さっきまでパソコン画面に目を向けていたのに急にこちらを向いて真剣な顔をして私を見る。
「なにが?」
好きでもないのに付き合うな、とか。思わせぶりなことをするな、とか。冬馬の言う“そういうの”は、たぶんこんな感じだ。
「…すみません。俺が口を挟むことじゃなかった」
淡々とそれだけ言ってまたパソコン画面に戻ってしまった。
う~ん、そっけないな。
「冬馬せんぱ~い!」
1年の生徒会書記、モモちゃん(小動物系)が泣きそうな顔をして冬馬のところにやって来た。
「なに?またなんかやらかした?」
「ちがいますよ~!議事録がみつからなくて~」
「議事録?なんでそんなもの探してんの?」
「い、いいじゃないですか!とにかくこっち来てください!」
冬馬の腕を引っ張って隣の資料室へ行ってしまった。
モモちゃんは所謂ドジっ子ちゃんで、なにかとやらかしてくれる。資料をシュレッダーにかけたり稟議書にお茶をこぼしたり、新品のチョークの箱を落としてバキバキに折ってしまったり。その後始末をするのが冬馬の役目と化している。どれも取り返しのつくことだから笑って済んでいるけれど。とんでもないことをやらかさないかかなり心配だ。
「それにしても、随分態度が違うのはなんで?」
隣のクラスの男子に呼び出されたと思ったら案の定告白された。サッカー部の爽やか系イケメンでかなりの優良物件だけれど、なんとなく合わないと思った。
「また告白されたんですか?」
呼び出された中庭から生徒会室へ戻ると冬馬がノートパソコンの画面を睨みつけながら声をかけてきた。
「やぁだ。冬馬見てたの?」
はい、さっき通りすがりに、と呟いてカタカタとキーボードを打ち始める。
「文化祭の予算案?」
ノートパソコンの画面を覗き込むと事細かに項目が分けられており、ちょうどそれらに予算を振り分けているところだった。
「このままじゃ赤字ですよ」
ため息をつきながら数字を打ち込んでいく冬馬。
「その為の会計係でしょ?冬馬^ ^」
「…………」
「なによ~汚いもの見るみたいな目付きしないでよ」
「ははは。で、さっきの人と付き合うんですか?」
「う~ん、どうしよっかな~(本当はもう断っちゃったけど)」
「…そういうの、よくないと思います」
さっきまでパソコン画面に目を向けていたのに急にこちらを向いて真剣な顔をして私を見る。
「なにが?」
好きでもないのに付き合うな、とか。思わせぶりなことをするな、とか。冬馬の言う“そういうの”は、たぶんこんな感じだ。
「…すみません。俺が口を挟むことじゃなかった」
淡々とそれだけ言ってまたパソコン画面に戻ってしまった。
う~ん、そっけないな。
「冬馬せんぱ~い!」
1年の生徒会書記、モモちゃん(小動物系)が泣きそうな顔をして冬馬のところにやって来た。
「なに?またなんかやらかした?」
「ちがいますよ~!議事録がみつからなくて~」
「議事録?なんでそんなもの探してんの?」
「い、いいじゃないですか!とにかくこっち来てください!」
冬馬の腕を引っ張って隣の資料室へ行ってしまった。
モモちゃんは所謂ドジっ子ちゃんで、なにかとやらかしてくれる。資料をシュレッダーにかけたり稟議書にお茶をこぼしたり、新品のチョークの箱を落としてバキバキに折ってしまったり。その後始末をするのが冬馬の役目と化している。どれも取り返しのつくことだから笑って済んでいるけれど。とんでもないことをやらかさないかかなり心配だ。
「それにしても、随分態度が違うのはなんで?」