コイワズライ
3
ーー文化祭当日
「副会長~2-3のお化け屋敷の暗幕が破れたー!」
「じゃあ、化学室のカーテン使って!」
「副会長、迷子がいるんだけど」
「えっと、放送!放送しよう!放送室に連れて行って!」
「副会長ー!」
「今度はなに!?」
「なんか、売店でもめてるって。モモちゃんがーー」
「モモちゃん!?」
急いで現場に向かうとガラの悪いチンピラとモモちゃんが睨み合っていた。
「だから~謝ったじゃないですかぁ!」
「謝って済むことじゃねぇんだよ!」
急いで2人の間に割って入る。
「すみません!なにがあったんですか?」
「ふくかいちょ~」
「さっき買った唐揚げに虫が入ってたんだよ!」
「む、虫…」
そう言ってチンピラが見せてきた紙コップには唐揚げと、確かに小さいが虫が入っていた。
「わざと入れたわけじゃないのにこのおじさんしつこいんですよぅ」
私の背中に隠れながらチンピラを睨みつけるモモちゃん。
屋外で調理してるんだからそりゃあ虫くらい入るだろうよ!
と心中で悪態をつきながら頭を下げた。
「すみません。すぐに新しいものと取り替えます」
チンピラの持っている紙コップを受け取ろうとしたらガシッと手首を掴まれる。
「もういいよ。それより姉ちゃん、付き合えよ」
「え?」
掴まれた手首を引っ張られる。
力強い!振り解けない!
後ろから走ってきた誰かがチンピラの腕を掴んだ。
「これ、新しい唐揚げです。この人忙しいんで!失礼します!」
唐揚げが入った紙コップを押し付け、私からチンピラを引き剥がしてくれた。
「生徒会の人が探してます」
そう言って私の前を歩き人混みをかき分けてくれる。はぐれないように私の手を掴んでくれている。いつか私に告白してくれたサッカー部の人だった。
あぁ、惜しいことしたな…
「希子先輩、大丈夫ですか?」
人混みの先には冬馬が心配そうに待っていた。
「あぁ、うん」
「唐揚げ、サッカー部が売ってたものなんです。こっちで対処しなきゃいけなかったのに、すみません!」
「いえいえ、こういうのも生徒会の仕事なので。こちらこそ、助けてもらってすみません」
「いや、こっちが悪いんで…」
「いえいえ、そんな…」
「じゃあ、またなにかあったら呼んで下さいね」
ちょうどいいタイミングで冬馬が間に入って話を終わらせてくれた。そして、なぜか私の手を握り、失礼しますとサッカー部に挨拶をし、私の手を引いて歩き出す。
「副会長~2-3のお化け屋敷の暗幕が破れたー!」
「じゃあ、化学室のカーテン使って!」
「副会長、迷子がいるんだけど」
「えっと、放送!放送しよう!放送室に連れて行って!」
「副会長ー!」
「今度はなに!?」
「なんか、売店でもめてるって。モモちゃんがーー」
「モモちゃん!?」
急いで現場に向かうとガラの悪いチンピラとモモちゃんが睨み合っていた。
「だから~謝ったじゃないですかぁ!」
「謝って済むことじゃねぇんだよ!」
急いで2人の間に割って入る。
「すみません!なにがあったんですか?」
「ふくかいちょ~」
「さっき買った唐揚げに虫が入ってたんだよ!」
「む、虫…」
そう言ってチンピラが見せてきた紙コップには唐揚げと、確かに小さいが虫が入っていた。
「わざと入れたわけじゃないのにこのおじさんしつこいんですよぅ」
私の背中に隠れながらチンピラを睨みつけるモモちゃん。
屋外で調理してるんだからそりゃあ虫くらい入るだろうよ!
と心中で悪態をつきながら頭を下げた。
「すみません。すぐに新しいものと取り替えます」
チンピラの持っている紙コップを受け取ろうとしたらガシッと手首を掴まれる。
「もういいよ。それより姉ちゃん、付き合えよ」
「え?」
掴まれた手首を引っ張られる。
力強い!振り解けない!
後ろから走ってきた誰かがチンピラの腕を掴んだ。
「これ、新しい唐揚げです。この人忙しいんで!失礼します!」
唐揚げが入った紙コップを押し付け、私からチンピラを引き剥がしてくれた。
「生徒会の人が探してます」
そう言って私の前を歩き人混みをかき分けてくれる。はぐれないように私の手を掴んでくれている。いつか私に告白してくれたサッカー部の人だった。
あぁ、惜しいことしたな…
「希子先輩、大丈夫ですか?」
人混みの先には冬馬が心配そうに待っていた。
「あぁ、うん」
「唐揚げ、サッカー部が売ってたものなんです。こっちで対処しなきゃいけなかったのに、すみません!」
「いえいえ、こういうのも生徒会の仕事なので。こちらこそ、助けてもらってすみません」
「いや、こっちが悪いんで…」
「いえいえ、そんな…」
「じゃあ、またなにかあったら呼んで下さいね」
ちょうどいいタイミングで冬馬が間に入って話を終わらせてくれた。そして、なぜか私の手を握り、失礼しますとサッカー部に挨拶をし、私の手を引いて歩き出す。