コイワズライ

「…ごめん」


困ったように頭を掻いてシュンとする。


「…恵菜(えな)のこと可愛いって先輩たちがずっと言ってるから会わせたくなかったんだよ」


「え?」


「…恵菜(えな)はメイクしなくても可愛いし、どんな服着ても似合う…と思う」


「ほんと?」


恵菜(えな)のすっぴん可愛いし、体もなにも着てない方がーー」


「ふはっ!変態」


「…恵菜(えな)


「なに?」


ずっと下を向いていた視線がゆっくりと私を捉える。わずかに頬が赤くなり大きな目が何度か瞬きをした。


「……ちゃんとすきだよ。恵菜(えな)のこと」


言い終えるとまた下を向いてしまう。千晃(ちあき)が好きだと言ってくれたのは告白してくれた時以来だった。めったにそういうことを口にしない千晃(ちあき)が顔を真っ赤にして気持ちを伝えてくれる。愛おしくてたまらない。


千晃(ちあき)~~~私もすき~~~」


「わっ!?」


千晃(ちあき)に抱き付こうと飛びかかったら勢いあまって押し倒してしまった。


「えっへへ~千晃(ちあき)~」


ちゅっちゅっと音を立ててキスをすると千晃(ちあき)が幸せそうに笑った。


腰にあった手が肌を滑りお尻を撫でている。


「やらしい~」


その体勢のまま何度もキスをして2人で暖かい毛布の中に戻った。


あ、イルミネーション…来週行こう…

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