コイワズライ
『ツンデレ娘奮闘記』…陽キャ男子×ツンデレ風紀委員
1
8時45分のチャイムが鳴りバタバタと校門に駆け込む生徒たち。チャイムが鳴り止んだと同時にものすごいスピードで校門に入ってきた男子生徒が1人。
「っしゃ!セーーフッ!!」
校門がまるで徒競走のゴール地点かのように、両手を高く掲げて喜んでいる。あれ?ゴールテープが見えたような?
その生徒の前にズンッと仁王立ちする山田先生(生活指導)。
「仁、アウトだ」
「えー!マジで!?さっきのはセーフでしょ!?」
「いいや、アウト」
名簿にチェックをつける山田先生。
「ちょ、待ってよ山田先生!絶対セーフだって!ねぇ!?君も見てたよねぇ!?セーフだよね!?」
急に私のところにやって来て同意を求める。額に汗が光り、必死に走ってきたことをうかがわせる。セーフって言ってあげたいけど
ガチャンッと金属音がしたと思ったら彼のズボンが脱げていてカッターシャツの裾から黒のボクサーパンツがチラリと見えた。
「アウトです!」
最悪っ!
これが仁先輩との出会い。
***
そして今朝もまた、チャイムが鳴り終わったと同時に校門に入り、山田先生に交渉…いや、懇願している。
「先生お願い!明日からはちゃんと来るから今日はおおめに見てよ」
「昨日もそんなこと言ってなかったか?」
「え~そうだっけ?」
そして私のところにやって来る。
「唯からも先生に言ってよ!仁先輩を遅刻扱いしないでくださ~いって」
「なんで私が?知りませんよ」
「薄情だな~俺のパンツ見たくせに」
「先輩のズボンが勝手に脱げたんでしょ!次 脱げたら公然わいせつ罪で訴えますよ!」
お~こわっ!、と笑いながら小走りで校舎内へ逃げて行った。
毎朝遅刻ギリギリに登校してくる遅刻常習犯の仁先輩(2年)は制服も派手に着崩している。ブレザーの下にパーカーを着て、カバンはいつもリュックで学校指定のものは持ってきたことがない。ニット帽やキャップをかぶってきたり、アクセサリーをつけている時もある。
校則は破るためにある、という言葉を地で行く人だ。
風紀委員の私にとっては天敵にあたる存在だが、毎朝顔を合わせているせいで彼に親近感を持たれてしまった。
あの人懐こい笑顔で明るく話しかけられたら誰だって嫌な気はしない。もちろん私も仁先輩のことは嫌いではないが、なぜか彼に対してはツンツンしてしまう。自分でもよくわからない。
「っしゃ!セーーフッ!!」
校門がまるで徒競走のゴール地点かのように、両手を高く掲げて喜んでいる。あれ?ゴールテープが見えたような?
その生徒の前にズンッと仁王立ちする山田先生(生活指導)。
「仁、アウトだ」
「えー!マジで!?さっきのはセーフでしょ!?」
「いいや、アウト」
名簿にチェックをつける山田先生。
「ちょ、待ってよ山田先生!絶対セーフだって!ねぇ!?君も見てたよねぇ!?セーフだよね!?」
急に私のところにやって来て同意を求める。額に汗が光り、必死に走ってきたことをうかがわせる。セーフって言ってあげたいけど
ガチャンッと金属音がしたと思ったら彼のズボンが脱げていてカッターシャツの裾から黒のボクサーパンツがチラリと見えた。
「アウトです!」
最悪っ!
これが仁先輩との出会い。
***
そして今朝もまた、チャイムが鳴り終わったと同時に校門に入り、山田先生に交渉…いや、懇願している。
「先生お願い!明日からはちゃんと来るから今日はおおめに見てよ」
「昨日もそんなこと言ってなかったか?」
「え~そうだっけ?」
そして私のところにやって来る。
「唯からも先生に言ってよ!仁先輩を遅刻扱いしないでくださ~いって」
「なんで私が?知りませんよ」
「薄情だな~俺のパンツ見たくせに」
「先輩のズボンが勝手に脱げたんでしょ!次 脱げたら公然わいせつ罪で訴えますよ!」
お~こわっ!、と笑いながら小走りで校舎内へ逃げて行った。
毎朝遅刻ギリギリに登校してくる遅刻常習犯の仁先輩(2年)は制服も派手に着崩している。ブレザーの下にパーカーを着て、カバンはいつもリュックで学校指定のものは持ってきたことがない。ニット帽やキャップをかぶってきたり、アクセサリーをつけている時もある。
校則は破るためにある、という言葉を地で行く人だ。
風紀委員の私にとっては天敵にあたる存在だが、毎朝顔を合わせているせいで彼に親近感を持たれてしまった。
あの人懐こい笑顔で明るく話しかけられたら誰だって嫌な気はしない。もちろん私も仁先輩のことは嫌いではないが、なぜか彼に対してはツンツンしてしまう。自分でもよくわからない。