コイワズライ
2
久しぶりに再会した伊吹は、当たり前だけどやっぱり伊吹で。
背が低い私がジャンプしながら黒板を消していると、チビは大変だなとバカにして笑う。
髪型をポニーテールにしていると引っ張ってくるし、私が伊吹の前を通るとわざと足を掛けてこかそうとするし、廊下で友達と話していると膝カックンしてくるし。
小学生の時にされていたイタズラを高校生になっても仕掛けてくる。どうやら成長したのは身体だけのようだ。
「みてみて!ハイスコアー!!」
「10万ポイント!?新奈すげぇー!!」
最近ハマっているパズルゲーム、千晃とスコアを競い合っていて今初めて私が千晃を追い抜いた。嬉しくて千晃にスマホ画面を見せていると横からひょいっとスマホを奪われた。
「どれどれ?おー、すげぇなぁ~」
「ちょ、返してよ」
伊吹がスマホを高い位置まで掲げて背伸びをして取り返そうとする私を見て意地悪くニヤニヤしている。
「あ、手がすべった」
勝手に私のスマホを操作しパッとスマホを手放した。
「わっ、っとと」
なんとかスマホを受け止め、画面を確認する。
「…え?待って待って、まさか伊吹…消した?」
「なんのこと?」
「さっきのパズルゲームのアプリ!消去しちゃったの!?」
首を傾げてとぼけている。
「バカ!!ハイスコア出すのにどれだけ苦労したと思ってんの!?ありえない!!アホ!バカ!バカ伊吹!!」
伊吹の足を蹴ったりグーで胸を殴ったりしてもびくともしない。口笛をふいてあさっての方向を見ている。
(ふざけ散らかすのも大概にしろよ!!)
「千晃~私の代わりに伊吹を再起不能にして~」
「新奈、泣きそうな顔して恐ろしいこと言うね。伊吹、さっきのはさすがに新奈がかわいそうだよ」
「そうだ、そうだ!反省しろ!そんな子に育てた覚えはない!ママンが泣いてるぞ!」
千晃の後ろに隠れながら反撃。
「新奈、国会の野次みたいになってるから」
「ピーピーうるせぇな、チビが」
「伊吹」
千晃に釘を刺されてチッと舌打ちをし、どうもすみませんでしたと棒読みで謝る。
「ハンバーグが食べたいな~」
「は?」
「学食のハンバーグおいしいんだよね~」
「お前、調子のってるとーー」
「伊吹」
「……くっそ、わかったよ!おごればいいんだろ!」
「ぃやったぁ~!!」
千晃と顔を見合わせてハイタッチ。
「お前は自分で払え!」
背が低い私がジャンプしながら黒板を消していると、チビは大変だなとバカにして笑う。
髪型をポニーテールにしていると引っ張ってくるし、私が伊吹の前を通るとわざと足を掛けてこかそうとするし、廊下で友達と話していると膝カックンしてくるし。
小学生の時にされていたイタズラを高校生になっても仕掛けてくる。どうやら成長したのは身体だけのようだ。
「みてみて!ハイスコアー!!」
「10万ポイント!?新奈すげぇー!!」
最近ハマっているパズルゲーム、千晃とスコアを競い合っていて今初めて私が千晃を追い抜いた。嬉しくて千晃にスマホ画面を見せていると横からひょいっとスマホを奪われた。
「どれどれ?おー、すげぇなぁ~」
「ちょ、返してよ」
伊吹がスマホを高い位置まで掲げて背伸びをして取り返そうとする私を見て意地悪くニヤニヤしている。
「あ、手がすべった」
勝手に私のスマホを操作しパッとスマホを手放した。
「わっ、っとと」
なんとかスマホを受け止め、画面を確認する。
「…え?待って待って、まさか伊吹…消した?」
「なんのこと?」
「さっきのパズルゲームのアプリ!消去しちゃったの!?」
首を傾げてとぼけている。
「バカ!!ハイスコア出すのにどれだけ苦労したと思ってんの!?ありえない!!アホ!バカ!バカ伊吹!!」
伊吹の足を蹴ったりグーで胸を殴ったりしてもびくともしない。口笛をふいてあさっての方向を見ている。
(ふざけ散らかすのも大概にしろよ!!)
「千晃~私の代わりに伊吹を再起不能にして~」
「新奈、泣きそうな顔して恐ろしいこと言うね。伊吹、さっきのはさすがに新奈がかわいそうだよ」
「そうだ、そうだ!反省しろ!そんな子に育てた覚えはない!ママンが泣いてるぞ!」
千晃の後ろに隠れながら反撃。
「新奈、国会の野次みたいになってるから」
「ピーピーうるせぇな、チビが」
「伊吹」
千晃に釘を刺されてチッと舌打ちをし、どうもすみませんでしたと棒読みで謝る。
「ハンバーグが食べたいな~」
「は?」
「学食のハンバーグおいしいんだよね~」
「お前、調子のってるとーー」
「伊吹」
「……くっそ、わかったよ!おごればいいんだろ!」
「ぃやったぁ~!!」
千晃と顔を見合わせてハイタッチ。
「お前は自分で払え!」