コイワズライ

ーー翌朝、教室にて昨日あった出来事を優斗(ゆうと)(みなと)に話した。


「ーーってことがあってね…どうしよう!?絶対変な奴だと思われてるよね!?」


「あちゃ~遂にやらかしたか!」
「逃げたのはまずかったんじゃない?」


「うぅ、だよね~嫌われたかな」


「これはもう正直に話すしかないな」
「謝ったら許してくれるよ」


「そんなことできるわけないじゃん!青葉(あおば)くんが好きすぎて席に座って机の匂い嗅いでました、なんてドン引きだよ!もう口もきいてくれないし、目も合わせてくれないよ!」


半泣きの私を見て2人ともゲラゲラ笑う。


「あ~ほんと(なぎ)っておもしろい」
「見てて飽きないわ~」


「ちょっと!こっちは必死なんだよ!笑ってないで真剣に考えてよ!」


「おはよっ、なんの話?」


背後で青葉(あおば)くんの声がして身体が硬直した。


「おぉ、青葉(あおば)!聞いてよ、(なぎ)がさ~」


をいっ!優斗(ゆうと)っ!なに言う気だよ!?


慌てて優斗(ゆうと)の口をふさぎ青葉(あおば)くんに、なんでもないよ~と笑ってごまかした。


***

ーー休み時間


(なぎ)、辞書借りていい?」
「うん、どうぞ~」
「ありがと、あのさ昨日のことなんだけど」
「あぁ、先生に呼ばれてるんだった。職員室行ってくるね」
「え?あ、行ってらっしゃい」


ーー昼休み


「チョコあげる」
「わっありがとう!(青葉(あおば)くんからもらった青葉(あおば)くんからもらった青葉(あおば)くんからもらった…ハァハァ)」
(なぎ)(みなと)優斗(ゆうと)と仲良いね」
「あはは、バカなこと言い合ってるだけだよ」
「どっちかと付き合ってるの?」
「え?まっさか~ないない」
「じゃあ好きとか?」
「いやいや2人とも彼女いるしね」
「そっか」


ーー放課後


(なぎ)


帰ろうとしたら青葉(あおば)くんに呼び止められた。今日はやけに青葉(あおば)くんに話しかけられるな。もしかしたら、私が青葉(あおば)くんのストーカーだと疑ってるのかも


だとしても、昼休みにもらったチョコは返さないからね!あれはただのチョコじゃないの!青葉(あおば)くんの優しさが詰まった世界に1つだけのチョコなの!いくら青葉(あおば)くん本人が返還を求めても私はあのチョコをーー


(なぎ)?…(なぎ)~?」


ぎゃあぁ!!近い近い!!


トリップしてる隙に青葉(あおば)くんに顔を覗きこまれていた。


「なにボーッとしてんの?この後予定ある?ちょっと話したいんだけど」


「うん、大丈夫」


よし、行こっか、と私の手を引いて歩き出す。私、今、青葉(あおば)くんと手を繋いでます!!
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