コイワズライ
4
メガネを壊してしまい罪悪感で頭がいっぱいの私に『レンズが割れたわけじゃないからなんとかなるよ』と他人事のような優斗くん。弁償すると言ったけど、やんわりと断られてしまった。せめてなにかやらせてほしくて、優斗くんのノート書きと日誌書きをすることにした。
やっと全ての授業が終わり、放課後の教室で日誌を書く。優斗くんは私の前の席に座り、頬杖をついてぼんやりとその様子をみていた。
「前から思ってたんだけど、沙良の字ってキレイだよな。すごく読みやすい」
「そうかな?…ありがとう」
字が綺麗だなんて初めて言われた。褒められ慣れてないからこそばゆい。
「あの、ありがとう…助けてくれて。さっき言いそびれちゃったから」
「あー…うん。」
「やっぱりメガネ弁償するよ」
「いいって」
「でも、高価なものでしょ?」
「沙良、しつこい。怒るぞ?」
「だって…」
盛大にため息をついてじっと私をみる。
(やばい…本当に怒っちゃったよ)
「じゃあさ、弁償のかわりにしてほしいことがあるんだけど」
「うん!なに?なんでも言って?」
ゆっくりと優斗くんの顔が近づき、スッと手が伸びて頬に触れた。また至近距離でみつめられる。
(また!?近視だからってこんなに近づく必要あるの!?)
メガネを外した優斗くんはいつもと違ってなんだかすごく…せつない。潤んでいる瞳に吸い込まれそうでぎゅっと目を閉じた。
「…まつ毛、ついてた」
目元をそっと指でなぞって静かに離れていった。
「…ありがとう」
(だめだ~~~顔みれないよ~~~)
胸がぎゅうぅっと苦しくなってドキドキする。この感覚は身に覚えがあるけど自覚してしまったら目の前の人をみれなくなってしまうから。とりあえずまだ、気づかないふり。
優斗くんのゴホンッという咳払いで反射的に顔を上げた。
「沙良」
シャープペンを持つ私の右手をそっと両手で包み込み、赤い顔で私をみる。
「優斗くん?」
「…1回しか言わないからな」
「…うん」
「すき…なんだ。1年の頃からずっと」
やっと全ての授業が終わり、放課後の教室で日誌を書く。優斗くんは私の前の席に座り、頬杖をついてぼんやりとその様子をみていた。
「前から思ってたんだけど、沙良の字ってキレイだよな。すごく読みやすい」
「そうかな?…ありがとう」
字が綺麗だなんて初めて言われた。褒められ慣れてないからこそばゆい。
「あの、ありがとう…助けてくれて。さっき言いそびれちゃったから」
「あー…うん。」
「やっぱりメガネ弁償するよ」
「いいって」
「でも、高価なものでしょ?」
「沙良、しつこい。怒るぞ?」
「だって…」
盛大にため息をついてじっと私をみる。
(やばい…本当に怒っちゃったよ)
「じゃあさ、弁償のかわりにしてほしいことがあるんだけど」
「うん!なに?なんでも言って?」
ゆっくりと優斗くんの顔が近づき、スッと手が伸びて頬に触れた。また至近距離でみつめられる。
(また!?近視だからってこんなに近づく必要あるの!?)
メガネを外した優斗くんはいつもと違ってなんだかすごく…せつない。潤んでいる瞳に吸い込まれそうでぎゅっと目を閉じた。
「…まつ毛、ついてた」
目元をそっと指でなぞって静かに離れていった。
「…ありがとう」
(だめだ~~~顔みれないよ~~~)
胸がぎゅうぅっと苦しくなってドキドキする。この感覚は身に覚えがあるけど自覚してしまったら目の前の人をみれなくなってしまうから。とりあえずまだ、気づかないふり。
優斗くんのゴホンッという咳払いで反射的に顔を上げた。
「沙良」
シャープペンを持つ私の右手をそっと両手で包み込み、赤い顔で私をみる。
「優斗くん?」
「…1回しか言わないからな」
「…うん」
「すき…なんだ。1年の頃からずっと」