ヨルの探偵Ⅰ


 あまりの驚きに、口がポカンと開いて目を見開いた。今の俺は間抜け面だ。

 優介や莉桜も同じような表情をしていて、翔と恭も僅かに反応して、動きを止めていた。揃いも揃って、思いがけない話に頭が追いつかない。

 ようやくその事実に応えようとした時だった。俺より少しばかり虎珀の方が早かった。


「なっっにそれっ!! うっそ! お姉さんと朝陽、血繋がってねーの!? こんな似てんのに!? ぜってーうそだ! オレはDNA鑑定見るまで信じねー!」

「ほんとだけど、声でっか。うるさい。驚きすぎ」

「いや、これは驚くでしょ〜よ。朝陽くんサラッと言ったけど、マジの話?」

「ほんとです。別に、嘘ついても仕方ないんで」


 またあっけらかんとした口調だけど、どこかスッキリした表情の朝陽くんは「ご馳走様でした」と全てを完結させてキッチンに行ってしまった。

 心の距離が縮まったのかな〜? 重大そうな話なのにさらっと教えてくれたし。ウンウン。

 衝撃的な話にまだ頭がぼんやりしてるけど、嫌われたらとかの不安が朝陽くんにある理由もなんとなく納得する。

 脱力しながら背凭れに体を預けると、莉桜も同じように肩の力を抜いて目を点にしていた。


「僕だけ……? 情報の処理が追いつかないの」

「俺もだよ。隠そうとしていたわけじゃないから話したんだろうけど、びっくりしたね」

「俺もびっくりした。今日会って2人似てんなって思ったところだったし」


 莉桜の言葉に優介と翔が賛同しながらどうにか頭の処理を追いつかせ、炒飯を完食させていた。かく言う俺も、混乱しつつも口にスプーンを運ぶ。

 そっか。血繋がってないのか〜。この姉弟。

 ふぅん。へぇ。やっぱ、益々気になるな〜。月夜ちゃん。

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