ヨルの探偵Ⅰ
まず、話を整理するとこうだ。
「あのストーカー養護教諭に、あそこまで行動と計画ができるとは思えない。ストーカー行為然り、クスリ手に入れるツテもない。確実に、誰かに根回しされて操られてた」
「ヘェ、ナルホド。バックに何かあるワケネ」
「それは間違いない。けどそこに辿り着く前にクスリの所在をはっきりさせたい」
マレくんは説明しなくてもわかるでしょうに、と呆れつつも、話を整理させるために出来事を纏める。
纏めて状況を整理する私を見て、興味深そうに頬杖をついてる「ウンウン」と頷くマレくんは絶対話し聞いてない。近くにあった生チョコを口に突っ込んでやった。
100%聞いてないでチョコをもぐもぐしてるマレくんを横目に、グラスを煽って喉を潤す。
話す必要はないけど自分の頭の中を整理されるためにも、私は言葉を続けた。
「まず、コネもツテもない奴がクスリを手にする機会なんて早々ない。誰かが提供した」
「ンー」
夜の街で働くなら、何処で貰えるか売ってるか把握できる。ただ、まともだった昼職の人間がクスリを買おうとして簡単に手に入れられるわけがない。
誰かが斡旋した可能性も高いが、それだったらもう見つけてる。
またクスリを仕入れるならコネやツテ、ルートが必要だ。誰かに渡すにしても、だ。