ヨルの探偵Ⅰ


 いやぁ、困った困った。

 私は、体力もなければ非力で戦闘力もない。弟の友達から「お姉さんなんて人差し指で倒せる」と鼻で笑われるほどに貧弱なのに、屈強な男共に探されてるなんて笑えないよ。


「……腕立て伏せでもしとこっかな」


 腕相撲をしようものなら秒で倒される私の非力な筋力に悲しくなり、筋トレをしようかと悩むも、三日坊主の私が続けられるとは思えない。

 でも、腕立て伏せとかなら……? いやむり。自分の身体を支えられず、1回も成功することなく地面に伏せるのが想像できる。

 というか、弟の友達は私に対して失礼すぎるよね。的を得てるからこそ心が折れる。

 まあ、あのホラーのような日から数日。来世でって言ったのに、めげなかった彼はどうやら私を探しているらしい。

 どうせならメモを解読でもすればいいのに。


「そんな難しかったかなぁ、アレ」


 素人レベルの暗号だから簡単に解けるって、マレくんが言ってたような……。

 窓の外の景色を足をパタパタさせながら観賞する。さっきから鳥さんがぴょーんと円を描いて飛んでいて、今24周目。

 同じ動きをしていてつまらなくないのかなも思うのもこれで3度目だ。

 私は今、多分、とてもつもなく暇。

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