ヨルの探偵Ⅰ

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 ふたりの距離を、ただ呆然と眺めていた。

 あのふたりは似ている。でも、似ていない。だから近くにいて欲しくなかった。


「……たいせつな弟、ネ」


 プツリ。映像をシャットダウンさせた。

 始まりで、それでいて、終わりのような。そんなものに捕まった。


 これは、悪夢だ。


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