ヨルの探偵Ⅰ
短く「ニャン」と鳴いたボス猫ちゃんに笑みを落としつつ、5月にしては暑い気温に地球温暖化が進んでると気怠く足を動かし、日陰を探す。
地球温暖化と言えば、去年の夏はマレくんと私で部屋のクーラー22度に設定してをキンキンに冷やし、寒くなったら着込むってことを繰り返して紗夜に怒られたことがあった。
とても反省している。
「エアコンの使いすぎだったなぁ」
エアコンさんを随分働かせてしまって反省だ。重労働させてしまったとは思う。もちろん労わったりはしないけど、それが仕事だろうから。
ちなみに余談だが、その後、見事に夏風邪を引いた私が朝陽にしこたま怒られたのは内緒の話。
なんか、私よく周りから怒られてるな……。
そう無意味に去年を回想して懐かしんでいたら、いつの間にか学校に着き、丁度3限のチャイムが鳴ったのが聞こえた。
「あ〜、間に合わなった〜〜〜」
うん。今教室に向かえば注目されること山の如しなので、そのままリターンして裏庭に向かおう。
裏庭には小さな花壇と用具入れのコンテナがある。そこなら誰にも邪魔されない。
私の秘密基地の1つだ。
梯子をかけて日陰のコンテナの上で寝転がる。まだ眠気が残ってるから次の時間まで一眠りしようと目を瞑った。
うとうとと夢に落ちる瞬間、誰かの足音がした気がしたが、気のせいだと思いたい……。
「────……先客かよ」
夢に落ちる寸前。
そんな呟きが、鼓膜を揺らした。