ヨルの探偵Ⅰ

 
 それから、庭のお手入れをしてくるとルンルンでスキップしながら「寛いでてね〜」と言って外に出ていった縁さん。

 リビングに居てもいいけど、流石にファンシーすぎて落ち着かないということで、全員で2階に上がって優介くんの部屋にお邪魔した。


「ほわー、優介くんの匂いする」

「えぇ、月夜ちゃんその言い方は……」

「優介くんの部屋は普通なんだね」

「僕の部屋も普通だからね」


 普通という言葉に間髪入れず、自分の部屋も普通だと言った莉桜くん。

 それに頷きながら、ぐるっと部屋を見渡した。

 シンプルなダークブラウンテイストで統一された優介くんの部屋。整理整頓されてる優介くんらしい部屋だ。あと気になるのは筋トレ用だろう運動器具。

 そうだった。意外にも優介くんが一番マッチョだったんだ。


「適当に座ってね」

「うん、ありがとう。……なに翔くん」

「座んならこっち」


 優介くんの言葉に頷きながら、ぽすぽすとソファーを叩いて横に座ってと催促する翔くん。

 君、ほんと年下の職権濫用で我儘になるよね。

 可愛くなかったら許さないぞ、と頬っぺを膨らませながら横に座る。すると、ストンと私の足元に慣れたように莉桜くんが座った。

 私の足を背凭れにするつもりだね? 莉桜くん。


「あ、忘れてた」

「ん? 何が?」


 ふと、思い出したように声を上げた莉桜くんを見下ろす。

 そして、聞かなければと後悔するのは1秒後。


「月夜ちゃん、昨日なにしてたのかな?」


 あ〜! 地獄の問い詰め&お説教タイム~~~!!

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