ヨルの探偵Ⅰ


 ────それから数日。

 見事にbsの奴らは、私の姿を見掛ける度に絡んできた。気を使ってか人目のないとこで絡んでくるけど、しつこいったらありゃしない。

 平穏を求め、今は屋上でほのぼのと一ノ瀬 翔と日向ぼっこをしているわけだけど。


「そう言えば、翔くん出席日数大丈夫なの?」

「大丈夫じゃねぇ」

「だよね、ほとんどここいるもんね」


 一ノ瀬 翔のフルネーム呼びを改め、翔くんと呼ぶようになった。彼はとても程よい距離感。

 つかず離れず、踏み込んでくるわけでもなければ遠いわけでもない。口数も少なくてとても居心地がいいが、気になる素行と出席日数。

 今も壁に背を預け、2人で横並びになっていたわけだけど、ほんとに殆どここにいる翔くん。

 酷い時は、朝から放課後までずっといる。


「いくら頭良くても、先生から目つけられそうだけど」

「とっくにつけられてる」

「アララ」


 仕方のないことかもねと脳内で呟きながら、実際サボりに関しては私は何も言えないと、ぷかぷか空を流れる雲を無関心に見つめた。

 彼の容姿じゃ目立つし、頭もいい。

 騒々しいのは嫌いと断言する彼からしたら苦痛でしかないだろう。先生に目をつけられてるのはどんまいだけどね。

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