cali girl


ザックはあたしの剣幕に少しビックリした後、落ち着いて話しはじめた。

「確かにエイミーに片思いしてるのは事実だよ。でもなんて言うか、オレが好きなのは今のエイミーじゃないんだ。


オレが好きだったエイミーは死んだんだよ。今のエイミーには全く魅力を感じない。人は変わるものだし、それはしょうがないと思ってる。

でもオレは昔のエイミーが忘れられなくて、今のエイミーに昔のエイミーを重ねてしまうんだ。

忘れなきゃいけない思いなのは分かってるんだ。

でもオレは、過去に捕らわれたままで、今でも昔のエイミーに恋してる。幽霊に恋してんだよ。」


つらそうなザックの顔が、あたしの胸を刺す。


行き場のない、彼の思い。


きっと、すごく好きだったんだろうな。


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