cali girl


「…バーカ。んな簡単に忘れられるよーな思いなら、10年以上も片思いなんてしてねーって。オレ、お前にふられてんだぞ?男は諦めが肝心だろーが。未練たらしく態度に出せるかっつーの!」

ダン兄の言葉が嬉しくて、アタシもダン兄に抱きつく。

「一度しか言わねーからよく聞けよ。I love you…」

最後に囁くように、キレイな発音で言ったダン兄の言葉は、兄の"暖"の言葉じゃなく、"Daniel"の言葉だって思った。

愛してるって言葉が、こんなに感動するものだなんて、知らなかった。

涙が出る。

「あたしもぉ~。」

泣きながら答えるアタシに、ダン兄が微笑む。

「さて、それではお姫様。舞踏会へとまいりましょうか。さ、涙をふいて。世界で一番大好きな人と最後に踊りたいんだろ?早くしないと終わっちまうぞ。」

イタズラっぽく笑いながら、アタシの手をひくダン兄。

涙をふいて、あたしは人生最高のダンスパーティーへと向かった。



fin.


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