cali girl
「あたしは、高田君と、付き合う、ことで、あんたを、忘れようと、思った。」

涙のせいでうまくしゃべれない。それでもあたしは続ける。

ここまできたら全部ぶちまけてスッキリするしかない。

「でもやっぱり出来なくて。高田君といても頭ん中にはいつも桜井がいて。やっぱり桜井じゃないとダメで。だから、だから…」

「別に彼女と別れてあたしと付き合って欲しいとか、返事が聞きたいとか、そーゆーんじゃなくて。お互い3年も遠距離なんて辛いし。ってなんか勝手に付き合うってことにしちゃったけど、今のはそーゆー意味で言ったんじゃなくて、あの、その、えっと…。」

頭が混乱する。

何しゃべってんのか自分でも分からなくなる。

でも真剣に次のあたしの言葉を待ってくれるあいつに、少し落ち着きをとり戻す。

< 35 / 305 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop