cali girl
「杏!準備できたか?飛行機間に合わなくなるぞ。」
隣の部屋から準備をすませたダン兄があたしの部屋を覗きながら言う。
「あとちょっとだから!先下行ってて」
あたしはそう応えると今まで使ってたヘアアイロンやメイク道具をカバンに押し込む。
クラスの仲いい友達やみんなには昨日お別れ会ってかたちでバイバイした。
メアドを交換して、絶対夏休みとか冬休みに帰ってくるから!と約束して。
もちろんそこにあいつもいたし、あいつのメアドも知ってるんだけど、あたしはいろんな人にサヨナラを言うのに忙しくてあいつとじっくり話してる余裕はなかった。
こうなったらきっとあいつはメールで考えた結果を話してくれるのだろう。
時間がなかったのだからしょうがない。
あたしは準備を終えて1階に荷物とともに降りた。
しばらくの間、バイバイ、あたしの部屋。