LUNA
煙草をくゆらせる
あなたのその唇に
私はそっと
口づけをを落とす
…
甘くて苦い、
そんなキス
「月がきれいだね」
なんてさ
言わないでよね
少し肌寒いベランダで
ふたり
身を寄せて見た
2:00 a.m の月
…
ふと隣を見れば
あなたはいなくて
代わりに
あなたの好きだった
煙草の空箱
”LUNA”
その香りは
悲しくも
忘れることなんかできなくて
…
「ばーか」
凍てつく空気に身を包まれ
ひとり
ベランダで見上げる
2:00 a.m の月
私もあのくゆった煙みたいに
きもちを
吐き出したらよかったかな
…なんて
そんなつぶやきは
月に消えた
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