気まぐれヤンキーは、私に夢中。

廃工場にて

目を覚ますと、見たことのない場所にいた。



「痛っ」



動こうとして、自分が有刺鉄線で縛られていることに気が付いた。

私が目覚めたことに気付いた1人が近づいてくる。



「かわいそうになぁ?澪川なんかとつるんでるからこんな目にあ」

「こんな目に合ってるのは卑劣な君たちのせいで、澪川のせいじゃない!」



相手が言い終える前に、反論する。“澪川なんか”という言葉にすごく腹が立った。



「自分の状況分かってねえみたいだなぁ?あぁ?!」



私の発言が気に食わなかったらしく、思いっきり腕を蹴られる。その度に有刺鉄線の棘が腕に当たり、痛みが走る。

バンッ

そのとき、勢いよく扉が開いた。

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