気まぐれヤンキーは、私に夢中。

トップになりたかった俺

澪川side

真白を助け、廃工場の出口に向かって歩いているとき、ふとトップなんてどうでもよくなっていることに気付いた。

俺は、中学のときに不良同士で喧嘩をするようになってから、ずっとトップを目指してきた。

トップになれば、1番強いという何よりの証拠になる。

そして、絶大な人気と権力を得ることができる。

深く考えることも、疑うこともなく、トップを目指すのは必然だと思っていた。

でも、真白に出会って、自分の芯のなさに気付かされた。

絶大な人気と権力を手に入れて、俺は何がしたかったんだろう。


自分の大切な人を守れればそれでいい。


俺の後ろにいる真白の足音を感じながら、強くそう思った。
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