気まぐれヤンキーは、私に夢中。
澪川が少し悩んだあと、呟いた。

私たちの周りに緊張感が漂う。



「…もう暗くなるし、行こっか」



私がそう言うと、澪川が体を起こし、立ち上がった。私の少し後ろを歩き出す。

無言の時間が流れ、気が付くと家の玄関の前だった。



「澪川、先にシャワー浴びて。私、買ったもの片付けたいから」

「…あぁ」

「そこの扉の奥がお風呂場」



場所を教えると、気まずそうにお風呂場に向かっていった。

澪川がシャワーを浴びている間に、父に澪川を泊めることになったという報告の電話をかける。



『そうか。好きにしろ』


父から返ってきたのはそれだけだった。ダメだって言われたらどうしようと心配したけど、無駄だった。父がそっけない人で良かったと初めて思った。
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