気まぐれヤンキーは、私に夢中。

花火の下

あっという間に時は過ぎ、高3の夏休みになった。

蒸し暑い8月の夜、川沿いの土手を散歩していると、向かいから見慣れた人影が歩いてくる。

よく見ると、右手にコンビニの袋を持った澪川だった。



「…真白」

「なんか久しぶりな感じする」



少し会話を交わしたところで、突然ドーンという音が鳴り、空を見上げたら打ち上げ花火が上がっている。

今日は花火大会の日じゃないのに何の花火だろう、と思いながらも、儚く散っていく花火を見つめる。



「綺麗…」

「…ん」



澪川が袋からアイスを取り出して、こっちも見ずに渡してくる。



「いいよ、澪川のじゃん」

「2つあるし」

「…そっか、ありがと」
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