気まぐれヤンキーは、私に夢中。

気まぐれな澪川

じりじりと太陽が照り付ける7月。衣替えの季節も過ぎ、すっかり半袖の季節になった。

今日は、一大イベントである体育祭が行われる。

4ブロックに分かれ、普段は授業を真面目に受けないクラスメイトたちが目の色を変えて総合優勝を狙う。

というのも、“総合優勝したブロックに属していた奴の中からトップが輩出される”というジンクスがあるのだ。

本気ゆえに毎年乱闘が起きるのが恒例だったりする。

今年は何事も起きないことを願いつつ、校庭に置かれている椅子に座る。

集合時間が過ぎても、隣の席に澪川の姿はない。

椅子に掛けたナップザックからスマホを取り出し、メッセージを送る。



⦅澪川、もう体育祭始まってる⦆



送るとすぐに返信が来た。



⦅だるい。パスで⦆



気まぐれだなと思い、スマホをしまう。

澪川、天邪鬼なところあるし、ジンクス信じてないんだろうな、なんて考える。
< 3 / 34 >

この作品をシェア

pagetop