気まぐれヤンキーは、私に夢中。

落とし物

あっという間に時間は過ぎていき、下校時間になった。

体操服から制服に着替え終わり、帰ろうとしたところで、ナップザックに目印として付けていたキーホルダーがないことに気が付いた。

閉会式のときは確か付いていたはず。

ということは、体育倉庫で片付けをしていたときに落としたのかも。見に行ってみよう。

記憶を辿りながら、体育倉庫に向かう。

さっきまで大勢の人がいた校庭はがらんとしている。

木製のドアを開け、中に入って辺りを見渡すも見つからない。

どこで片付けをしたか思い出しながら奥の方に目をやると、床にキーホルダーが落ちているのが見えた。



「あった!」



バンッ

声を発した瞬間、ドアが閉まる音がして目の前が真っ暗になった。



「ちょっ…」



ちょっと待って、と言いかけると同時に鍵が閉められた。




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