異世界から本物の聖女が召喚されたので、聖女見習いの幼女は不要のようです。 追放先でもふもふとパパに溺愛されているので、今更聖女になんてなりません!
3・見習い聖女、公爵家の愛娘になる
(カイブルはパパが、迷いの森で待ってることを知ってたんだね)
ロルティが1人で迷いの森へ向かっても身の安全が保証されていると彼が確信していた理由を知った彼女は、父親の腕の中で初めて乗る馬車に揺られ、ジェナロの顔立ちをじっと見つめた。
(パパの瞳は、真っ赤……)
瞳の色が異なることに気づいたロルティは、本当に彼が父親なのかと疑う気持ちを隠しきれなかった。
(金髪の人は、神官にも何人もいたし……)
この世界において金髪の人間は、そう珍しいものではない。
どこにでもありふれている髪型だ。
だが、翡翠の瞳はそうもいかない。
(パパがエメラルドの瞳だったら、すぐに確信が持てたのに……)
ロルティは一度、カイブルに問い掛けたことがある。
『どうして神殿には、わたしと同じ目をした人がいないの?』
『翡翠の瞳を持つ人間は、この世界でたった2人しかおりません』
『それって、だぁれ?』
『いずれ、わかりますよ』
彼はロルティの他に誰が翡翠の目を持っているのかを、教えてくれなかった。
ロルティが1人で迷いの森へ向かっても身の安全が保証されていると彼が確信していた理由を知った彼女は、父親の腕の中で初めて乗る馬車に揺られ、ジェナロの顔立ちをじっと見つめた。
(パパの瞳は、真っ赤……)
瞳の色が異なることに気づいたロルティは、本当に彼が父親なのかと疑う気持ちを隠しきれなかった。
(金髪の人は、神官にも何人もいたし……)
この世界において金髪の人間は、そう珍しいものではない。
どこにでもありふれている髪型だ。
だが、翡翠の瞳はそうもいかない。
(パパがエメラルドの瞳だったら、すぐに確信が持てたのに……)
ロルティは一度、カイブルに問い掛けたことがある。
『どうして神殿には、わたしと同じ目をした人がいないの?』
『翡翠の瞳を持つ人間は、この世界でたった2人しかおりません』
『それって、だぁれ?』
『いずれ、わかりますよ』
彼はロルティの他に誰が翡翠の目を持っているのかを、教えてくれなかった。