異世界から本物の聖女が召喚されたので、聖女見習いの幼女は不要のようです。 追放先でもふもふとパパに溺愛されているので、今更聖女になんてなりません!
「うん! あたし、聖女になる!」
「ありがとうございます。皆の者! よく聞きなさい! 聖女見習いロルティは、現時点を持って神殿から追放処分とする!」
彼女が廊下に続く扉を、音を立てぬように気を使いながら押し開いた時のことだった。
冷たく言い放つ義父の声が、大広間に広がったのは。
(ついほーって、何?)
幼いロルティには言葉の意味がよくわからなかったが、神官達が怖い顔でこちらを見ているのならば、彼女にとって良くない単語であることは間違えようのない事実だ。
「聖騎士達よ。義娘を始末しなさい」
神官の命令とともに聖騎士達が腰元の剣を引き抜いたのも、彼女の恐怖心を煽るのには充分だった。
(逃げなきゃ……!)
鋭利な刃物で傷つけられたら、幼いロルティなど一瞬で剣の錆になってしまう。
小さな身体でどこまで抵抗できるかは不明だが、黙ってやられるほど彼女だって平和ボケはしていなかった。
「おとう、しゃま……」
「すべては神殿の秘密を、守るために」
養父が口封じのために自身を始末しようとしていると知ったロルティは、真っ青な顔をしながら全速力で廊下を駆ける。
「ありがとうございます。皆の者! よく聞きなさい! 聖女見習いロルティは、現時点を持って神殿から追放処分とする!」
彼女が廊下に続く扉を、音を立てぬように気を使いながら押し開いた時のことだった。
冷たく言い放つ義父の声が、大広間に広がったのは。
(ついほーって、何?)
幼いロルティには言葉の意味がよくわからなかったが、神官達が怖い顔でこちらを見ているのならば、彼女にとって良くない単語であることは間違えようのない事実だ。
「聖騎士達よ。義娘を始末しなさい」
神官の命令とともに聖騎士達が腰元の剣を引き抜いたのも、彼女の恐怖心を煽るのには充分だった。
(逃げなきゃ……!)
鋭利な刃物で傷つけられたら、幼いロルティなど一瞬で剣の錆になってしまう。
小さな身体でどこまで抵抗できるかは不明だが、黙ってやられるほど彼女だって平和ボケはしていなかった。
「おとう、しゃま……」
「すべては神殿の秘密を、守るために」
養父が口封じのために自身を始末しようとしていると知ったロルティは、真っ青な顔をしながら全速力で廊下を駆ける。