異世界から本物の聖女が召喚されたので、聖女見習いの幼女は不要のようです。 追放先でもふもふとパパに溺愛されているので、今更聖女になんてなりません!
「紹介しよう。母親の異なる君の兄、ジュロドだ。年齢は、10歳だ」
「僕のことは、お兄様って読んでくれると嬉しいな」
「おにいしゃま?」
「そうだよ。父さんに似なくて、本当によかった」
ジュロドは慈愛に満ちた笑みを浮かべると、ロルティを抱きしめた。
彼女に危害を加えるつもりであれば、今頃腹部をぐさりと一発。
鋭利な刃物で刺されているだろう。
そうした流血沙汰が起きていないところを見る限り、彼が心の底から長年離れて暮らしていた妹を歓迎する気があるのだと読み取るべきだ。
「こんなにかわいい妹と、6年間も触れ合えなかったなんて……。人生の損失にも程がある」
「同感だ」
「父さん。これからは、ロルティとずっと一緒なんだよね」
「もちろん」
「朝目覚めて、食事から散歩。勉強の時間。入浴を済ませて、一緒のベッドで眠る時も?」
「ドサクサに紛れて、聞き捨てならない言葉を混ぜるな」
「なんのことだか、さっぱりわからないよ」
「ジュロド……」
父親と兄は互いに目を合わせると、バチバチと火花を散らした。
どうやら息子だけにロルティを独占させるつもりはないらしい。
「僕のことは、お兄様って読んでくれると嬉しいな」
「おにいしゃま?」
「そうだよ。父さんに似なくて、本当によかった」
ジュロドは慈愛に満ちた笑みを浮かべると、ロルティを抱きしめた。
彼女に危害を加えるつもりであれば、今頃腹部をぐさりと一発。
鋭利な刃物で刺されているだろう。
そうした流血沙汰が起きていないところを見る限り、彼が心の底から長年離れて暮らしていた妹を歓迎する気があるのだと読み取るべきだ。
「こんなにかわいい妹と、6年間も触れ合えなかったなんて……。人生の損失にも程がある」
「同感だ」
「父さん。これからは、ロルティとずっと一緒なんだよね」
「もちろん」
「朝目覚めて、食事から散歩。勉強の時間。入浴を済ませて、一緒のベッドで眠る時も?」
「ドサクサに紛れて、聞き捨てならない言葉を混ぜるな」
「なんのことだか、さっぱりわからないよ」
「ジュロド……」
父親と兄は互いに目を合わせると、バチバチと火花を散らした。
どうやら息子だけにロルティを独占させるつもりはないらしい。