異世界から本物の聖女が召喚されたので、聖女見習いの幼女は不要のようです。 追放先でもふもふとパパに溺愛されているので、今更聖女になんてなりません!
(どうにかして、外に出なきゃ……!)
彼女は神官と呼ばれる大人や、立派な聖女となるための修行と称して痛めつけてくる義父が嫌いだ。
いつもニコニコと笑顔を貼り付けているくせに、ロルティに酷いことしかしないから。
大人は頼りにならない。信じようとも思えなかった。
全員、彼女に害を及ぼす敵だと思っている。
『聖女見習い様。危機を察知した際には、こちらまでお越しください』
――けれど彼女には、この状況を打破するために頼れる聖騎士が1人だけ存在した。
『私が必ず、あなたをこの牢獄から救い出して見せます』
彼の名はカイブル・アカイム。
ロルティとの年齢差は、10歳くらいだろうか。
見習いの聖騎士から昇格したばかりの、心優しい青年だ。
見習い聖女として虐げられる彼女の姿に心を痛め、命の危機に瀕した際には必ずここから出してやると約束してくれた。
(今もまだ、その約束が有効なのかはわからない……)
こうしてロルティが命を狙われていることを知らなければ、その場所に彼がいる保証もない。
それでも彼女は、信じてみたいと思った。
彼女は神官と呼ばれる大人や、立派な聖女となるための修行と称して痛めつけてくる義父が嫌いだ。
いつもニコニコと笑顔を貼り付けているくせに、ロルティに酷いことしかしないから。
大人は頼りにならない。信じようとも思えなかった。
全員、彼女に害を及ぼす敵だと思っている。
『聖女見習い様。危機を察知した際には、こちらまでお越しください』
――けれど彼女には、この状況を打破するために頼れる聖騎士が1人だけ存在した。
『私が必ず、あなたをこの牢獄から救い出して見せます』
彼の名はカイブル・アカイム。
ロルティとの年齢差は、10歳くらいだろうか。
見習いの聖騎士から昇格したばかりの、心優しい青年だ。
見習い聖女として虐げられる彼女の姿に心を痛め、命の危機に瀕した際には必ずここから出してやると約束してくれた。
(今もまだ、その約束が有効なのかはわからない……)
こうしてロルティが命を狙われていることを知らなければ、その場所に彼がいる保証もない。
それでも彼女は、信じてみたいと思った。