異世界から本物の聖女が召喚されたので、聖女見習いの幼女は不要のようです。 追放先でもふもふとパパに溺愛されているので、今更聖女になんてなりません!
『パパ! おにいしゃまにもわたしと同じくらい、好きって言わなきゃ! めっ!』
生まれてから今に至るまで、顔も合わせたことすらない。
愛する人の娘を引き取った所で、本当に愛情を注いでやれるのかと不安に思っていたのが嘘のように。
ジェナロとジュロドは、あっと言う間にロルティの虜だ。
(このまま穏やかな日々が、ずっと続けばいいが……)
じっと窓の外を眺めていた彼は、視線を室内の床に移して難しい顔をする。
ジェナロの目の前には、ブルブルと全身を震わせるアンゴラウサギの姿があったからだ。
「んきゅう……」
この獣は彼と2人きりになってから、ずっとこうして怯えている。
子ども達をそれほど怖がっていないあたり、がっしりとした身体付きや不機嫌そうなきつい瞳が悪いのだろう。
「安心しろ。何もしない」
「ぴきゅ……!」
警戒心の強いアンゴラウサギは、ブルンブルンと勢いよく左右に首を振り、小さな足をちょこちょこと動かす。
その後壁の隅に挟まり、身を縮こまらせた。
(この状態でよく、研究員達は精密検査を終えられたな……)
ジェナロは優秀な部下達を内心褒めながら、机の上に置いてあった報告書を手に取り読み進める。
生まれてから今に至るまで、顔も合わせたことすらない。
愛する人の娘を引き取った所で、本当に愛情を注いでやれるのかと不安に思っていたのが嘘のように。
ジェナロとジュロドは、あっと言う間にロルティの虜だ。
(このまま穏やかな日々が、ずっと続けばいいが……)
じっと窓の外を眺めていた彼は、視線を室内の床に移して難しい顔をする。
ジェナロの目の前には、ブルブルと全身を震わせるアンゴラウサギの姿があったからだ。
「んきゅう……」
この獣は彼と2人きりになってから、ずっとこうして怯えている。
子ども達をそれほど怖がっていないあたり、がっしりとした身体付きや不機嫌そうなきつい瞳が悪いのだろう。
「安心しろ。何もしない」
「ぴきゅ……!」
警戒心の強いアンゴラウサギは、ブルンブルンと勢いよく左右に首を振り、小さな足をちょこちょこと動かす。
その後壁の隅に挟まり、身を縮こまらせた。
(この状態でよく、研究員達は精密検査を終えられたな……)
ジェナロは優秀な部下達を内心褒めながら、机の上に置いてあった報告書を手に取り読み進める。