異世界から本物の聖女が召喚されたので、聖女見習いの幼女は不要のようです。 追放先でもふもふとパパに溺愛されているので、今更聖女になんてなりません!
4・公爵家の愛娘、毛刈りをする
「ウサギは定期的に毛刈りをしないと、死んでしまうらしい」
「え!? そうなの? うさぎしゃん!」
「もきゅ……」
アンゴラウサギが寂しそうな鳴き声を上げたことに気づいたロルティは、父親の告げた言葉が事実だと知る。
「どうしよう……!」
「毛を切ればいいだけの話じゃないか」
慌てふためきパニックに陥った妹を落ち着かせたのは、彼女の兄。ジュロドだった。
元気で明るく落ち着きのないロルティとは異なり、つねに優しい微笑みを称えて落ち着いた雰囲気の少年だ。
彼に諭されたロルティはパッと笑顔を浮かべ、肩の力を抜いた。
「そっか。よかったー!」
「ハサミは尖っていて、危ないからね。メイドにやってもらおうか」
「いや。俺がやる」
「父さんが……?」
ジュロドは公爵自ら愛娘の大事にしているペットの毛刈りを行うと表明するなど思わず、不思議そうに首を傾げている。
普段であればこうした雑用は、すべてメイドに任せるからだ。
「うさぎしゃん! パパが長く伸びた毛を、チョッキンコしてくれるって!」
「むきゅう……」
「ああ。任せろ」
「きゅむむ……!」
ジュロドが真顔でチョキチョキとハサミを動かしたことで、アンゴラウサギは怯えてしまったようだ。
「え!? そうなの? うさぎしゃん!」
「もきゅ……」
アンゴラウサギが寂しそうな鳴き声を上げたことに気づいたロルティは、父親の告げた言葉が事実だと知る。
「どうしよう……!」
「毛を切ればいいだけの話じゃないか」
慌てふためきパニックに陥った妹を落ち着かせたのは、彼女の兄。ジュロドだった。
元気で明るく落ち着きのないロルティとは異なり、つねに優しい微笑みを称えて落ち着いた雰囲気の少年だ。
彼に諭されたロルティはパッと笑顔を浮かべ、肩の力を抜いた。
「そっか。よかったー!」
「ハサミは尖っていて、危ないからね。メイドにやってもらおうか」
「いや。俺がやる」
「父さんが……?」
ジュロドは公爵自ら愛娘の大事にしているペットの毛刈りを行うと表明するなど思わず、不思議そうに首を傾げている。
普段であればこうした雑用は、すべてメイドに任せるからだ。
「うさぎしゃん! パパが長く伸びた毛を、チョッキンコしてくれるって!」
「むきゅう……」
「ああ。任せろ」
「きゅむむ……!」
ジュロドが真顔でチョキチョキとハサミを動かしたことで、アンゴラウサギは怯えてしまったようだ。