異世界から本物の聖女が召喚されたので、聖女見習いの幼女は不要のようです。 追放先でもふもふとパパに溺愛されているので、今更聖女になんてなりません!
厳格な当主としての顔を取り戻したジェナロは、低い声とともに外で入室の許可を待つ使用人に告げた。
少し間を置いたあと開いた扉の先にいたメイドは、きれいにラッピングされた箱を持っていて――。
「おにいしゃま! お土産!」
ロルティはニコニコと笑顔を浮かべて兄に告げた。
扉の前から無表情で箱を手に持った女性はジュロドの前へ歩みを進めると、彼へ差し出す。
「ありがとう、ロルティ。開けてもいいかな?」
「もちろん!」
優しく微笑んだ兄は包みを丁寧に剥がすと、ゆっくりと箱を開封した。
その中には先程ロルティが雑貨屋で選んだティーカップが3客、収まっている。
「家族みんなで、お揃いだね」
「うん! おそろー!」
ジュロドもすぐにその食器に使われている色を目にして誰がどのティーカップを使うべきか理解したらしく、ケラケラと大喜びする妹を優しい瞳で見つめていた。
「初めての外出は、楽しかった?」
「あのね! 雑貨屋しゃん! パパが、ここからここまで、全部買うって言ったの!」
「……凄いね。父さんはあんまり、無駄遣いをしない人だったのに……」
ジュロドは父親が雑貨屋で大金を湯水の如く使ってくるとは思いもしなかったようで、目を丸くして驚いている。
少し間を置いたあと開いた扉の先にいたメイドは、きれいにラッピングされた箱を持っていて――。
「おにいしゃま! お土産!」
ロルティはニコニコと笑顔を浮かべて兄に告げた。
扉の前から無表情で箱を手に持った女性はジュロドの前へ歩みを進めると、彼へ差し出す。
「ありがとう、ロルティ。開けてもいいかな?」
「もちろん!」
優しく微笑んだ兄は包みを丁寧に剥がすと、ゆっくりと箱を開封した。
その中には先程ロルティが雑貨屋で選んだティーカップが3客、収まっている。
「家族みんなで、お揃いだね」
「うん! おそろー!」
ジュロドもすぐにその食器に使われている色を目にして誰がどのティーカップを使うべきか理解したらしく、ケラケラと大喜びする妹を優しい瞳で見つめていた。
「初めての外出は、楽しかった?」
「あのね! 雑貨屋しゃん! パパが、ここからここまで、全部買うって言ったの!」
「……凄いね。父さんはあんまり、無駄遣いをしない人だったのに……」
ジュロドは父親が雑貨屋で大金を湯水の如く使ってくるとは思いもしなかったようで、目を丸くして驚いている。