異世界から本物の聖女が召喚されたので、聖女見習いの幼女は不要のようです。 追放先でもふもふとパパに溺愛されているので、今更聖女になんてなりません!
「ねぇ、ロルティ」
「なあに? おにいしゃま」
「メイドにお願いして、この間の続きをやろうか」
幼子は問いかけられた言葉の意味を理解するまで数分を有したが、すぐにそれが何を意味するか思い当たり、パッと表情を明るくさせる。
彼女はベッドの上でぴょんぴょんと飛び跳ねながら、喜びを表し告げた。
「――うさぎしゃんと、お揃い!」
「むきゅ……?」
自分を呼ばれたと勘違いしたアンゴラウサギが不思議そうに首を傾げる中。
テンションの上がったロルティは、獣を抱きかかえると兄を急かす。
「おにいしゃま! 早く、行こう!」
「ロルティ。そんなに慌てなくても、毛は逃げないよ」
「だって、待ち切れないだもーん!」
愛する妹の元気いっぱいな様子を目にした兄は肩を竦めていたが、先程までの憂鬱な気分が吹き飛んだのであればそれに勝るものはないと考えたのだろう。
彼女の姿に引っ張られるようにして、重たい腰を上げた。
「もう、仕方ないなぁ……」
「うさぎしゃんとお揃いのリボン、楽しみだね!」
アンゴラウサギを抱きかかえながらるんるん気分でスキップを始めたロルティは、部屋を出てジュロドとともに中庭へと向かった。
「なあに? おにいしゃま」
「メイドにお願いして、この間の続きをやろうか」
幼子は問いかけられた言葉の意味を理解するまで数分を有したが、すぐにそれが何を意味するか思い当たり、パッと表情を明るくさせる。
彼女はベッドの上でぴょんぴょんと飛び跳ねながら、喜びを表し告げた。
「――うさぎしゃんと、お揃い!」
「むきゅ……?」
自分を呼ばれたと勘違いしたアンゴラウサギが不思議そうに首を傾げる中。
テンションの上がったロルティは、獣を抱きかかえると兄を急かす。
「おにいしゃま! 早く、行こう!」
「ロルティ。そんなに慌てなくても、毛は逃げないよ」
「だって、待ち切れないだもーん!」
愛する妹の元気いっぱいな様子を目にした兄は肩を竦めていたが、先程までの憂鬱な気分が吹き飛んだのであればそれに勝るものはないと考えたのだろう。
彼女の姿に引っ張られるようにして、重たい腰を上げた。
「もう、仕方ないなぁ……」
「うさぎしゃんとお揃いのリボン、楽しみだね!」
アンゴラウサギを抱きかかえながらるんるん気分でスキップを始めたロルティは、部屋を出てジュロドとともに中庭へと向かった。