異世界から本物の聖女が召喚されたので、聖女見習いの幼女は不要のようです。 追放先でもふもふとパパに溺愛されているので、今更聖女になんてなりません!
兄妹の面倒をよく見てくれる使用人から、アンゴラウサギの毛を洗浄する際に面倒を見てくれたメイドへ連絡が行ったらしい。
2人が小さな足を使って進み中庭へと顔を出せば、すでに女性がロルティとジュロドを待っていた。
「坊っちゃん、お嬢様……」
「メイドしゃん! 今日も、お世話になりまーす!」
「こ、こちらこそ。よろしくお願い申し上げます……!」
侍女は恐ろしく緊張しているらしく、ガチガチと肩を揺らしながら頭を下げた。
(そんなに緊張しなくたって、いいのにね?)
ロルティはそんなメイドの姿を不思議に思いながら、使用人に問いかける。
「わたし、これから何をすればいいの?」
「これよりお嬢様には、カーディングを行って頂きます」
「かぐ?」
「糸を紡ぐ前に不純物を取り除き、繊維を一定にするのです」
「むむ?」
幼子には難しい言葉が多く、理解できずに首を傾げてしまったが、隣にいる兄もまた妹に解説できるほどの知識は持っていないようだ。
不思議そうなロルティに微笑みかけたジュロドは、彼女に促す。
「とりあえず、やってみようか」
「はーい!」
「それでは、こちらの器具をお使いください」
使用人がガサゴソと手に持っていた麻袋の中から、取手のついた平べったい櫛のような物を6本取り出す。
2人が小さな足を使って進み中庭へと顔を出せば、すでに女性がロルティとジュロドを待っていた。
「坊っちゃん、お嬢様……」
「メイドしゃん! 今日も、お世話になりまーす!」
「こ、こちらこそ。よろしくお願い申し上げます……!」
侍女は恐ろしく緊張しているらしく、ガチガチと肩を揺らしながら頭を下げた。
(そんなに緊張しなくたって、いいのにね?)
ロルティはそんなメイドの姿を不思議に思いながら、使用人に問いかける。
「わたし、これから何をすればいいの?」
「これよりお嬢様には、カーディングを行って頂きます」
「かぐ?」
「糸を紡ぐ前に不純物を取り除き、繊維を一定にするのです」
「むむ?」
幼子には難しい言葉が多く、理解できずに首を傾げてしまったが、隣にいる兄もまた妹に解説できるほどの知識は持っていないようだ。
不思議そうなロルティに微笑みかけたジュロドは、彼女に促す。
「とりあえず、やってみようか」
「はーい!」
「それでは、こちらの器具をお使いください」
使用人がガサゴソと手に持っていた麻袋の中から、取手のついた平べったい櫛のような物を6本取り出す。