異世界から本物の聖女が召喚されたので、聖女見習いの幼女は不要のようです。 追放先でもふもふとパパに溺愛されているので、今更聖女になんてなりません!
聖騎士の悪巧み(カイブル)
(行ったか……)
カイブル・アカイムにとって、ロルティは命を賭けて守らなければならない希望の光だった。
『カイブルー!』
初めて自身の名を呼んでくれた時の感動と言ったらない。
ずっとそばで成長を見守り続けたかったが、それは残念ながら彼の役目ではなかった。
(ロルティ様があの方の元で暮らすように手引きをし、遠くからお守りする。それが私の、役目なのですから……)
カイブルが彼女とともに神殿から飛び出せば、彼は裏切り者と呼ばれるようになる。一度そうした騒ぎになれば、別の人間をこの場所へスパイとして潜り込ませるのも難しくなってしまう。
そうなればロルティに危害を加えようと目論む養父や聖騎士達の動向が窺い知れない。
(――だからこそ)
カイブルは彼女を逃したことを神官や聖騎士達に知られるわけにはいかなかった。
何事もなかったかのように嘘を付き、ロルティのいなくなった神殿内で聖騎士として、今まで通りの生活を送る。
――いつか会える日を、夢見て。
カイブル・アカイムにとって、ロルティは命を賭けて守らなければならない希望の光だった。
『カイブルー!』
初めて自身の名を呼んでくれた時の感動と言ったらない。
ずっとそばで成長を見守り続けたかったが、それは残念ながら彼の役目ではなかった。
(ロルティ様があの方の元で暮らすように手引きをし、遠くからお守りする。それが私の、役目なのですから……)
カイブルが彼女とともに神殿から飛び出せば、彼は裏切り者と呼ばれるようになる。一度そうした騒ぎになれば、別の人間をこの場所へスパイとして潜り込ませるのも難しくなってしまう。
そうなればロルティに危害を加えようと目論む養父や聖騎士達の動向が窺い知れない。
(――だからこそ)
カイブルは彼女を逃したことを神官や聖騎士達に知られるわけにはいかなかった。
何事もなかったかのように嘘を付き、ロルティのいなくなった神殿内で聖騎士として、今まで通りの生活を送る。
――いつか会える日を、夢見て。