異世界から本物の聖女が召喚されたので、聖女見習いの幼女は不要のようです。 追放先でもふもふとパパに溺愛されているので、今更聖女になんてなりません!
「訓練中に、失くしたようでして……」
「大変じゃないか。あれは、親父さんの形見なんだろう?」
「ええ、まぁ」
「聖女様の聖なる力は、失せ物探しに適している。彼女の実力を測るためにも、ちょうどいい機会だ。ついてこい」
「私が、ですか……?」
「何か不満でも?」
「いえ……」
どれほど神殿内をくまなく探したところで、ロルティの姿は見つからない。
すでにカイブルが、彼女を逃してしまったからだ。
その事実を知るのは今の所、彼しかいない。
(聖女と呼ばれる存在は、ロルティ様ただ1人であるべきです)
彼女を愛するあまり狂信者と化している彼にとって、異世界からロルティの居場所を奪うためにある日突然転移してきたキララは、視界にも入れたくないほど憎い存在だ。
(彼女がどれほど聖なる力を使えるのかは、遅かれ早かれ確認しなければならないこと……)
キララはまだこの世界にやってきたばかり。
なんの訓練も受けてない状態で聖なる力を発動し、カイブルのネックレスをロルティが持っていると言い当てたのならば……。
(あの女が本物であれば、そのまま聖女を名乗ってもらえばいい)
ロルティはまだ幼い。
「大変じゃないか。あれは、親父さんの形見なんだろう?」
「ええ、まぁ」
「聖女様の聖なる力は、失せ物探しに適している。彼女の実力を測るためにも、ちょうどいい機会だ。ついてこい」
「私が、ですか……?」
「何か不満でも?」
「いえ……」
どれほど神殿内をくまなく探したところで、ロルティの姿は見つからない。
すでにカイブルが、彼女を逃してしまったからだ。
その事実を知るのは今の所、彼しかいない。
(聖女と呼ばれる存在は、ロルティ様ただ1人であるべきです)
彼女を愛するあまり狂信者と化している彼にとって、異世界からロルティの居場所を奪うためにある日突然転移してきたキララは、視界にも入れたくないほど憎い存在だ。
(彼女がどれほど聖なる力を使えるのかは、遅かれ早かれ確認しなければならないこと……)
キララはまだこの世界にやってきたばかり。
なんの訓練も受けてない状態で聖なる力を発動し、カイブルのネックレスをロルティが持っていると言い当てたのならば……。
(あの女が本物であれば、そのまま聖女を名乗ってもらえばいい)
ロルティはまだ幼い。