手のひらを太陽に
第36話
アパートの自分の部屋に戻ると、いつもすぐにテレビをつけるのが習慣であったが、テレビをつけると『私の街の風景』の番組が放送されていて、私が17歳の頃まで住んでいた家の外観が映し出されてタイムスリップすることが多かった記憶がある。部屋に戻ってからテレビをつける気にならなかった。『私の街の風景』が放送されている確率はほぼ0パーセントに近いくらいなのに、放送されているのではないかと、恐れている自分に気がついたりするのである。
だいたいテレビをつけて『私の街の風景』が放送されていたことが度々あったことがあまりにも偶然すぎて不思議である。
かといって、『私の街の風景』とタイムスリップを関連付ける気にはなれない。テレビの『私の街の風景』と関係なくタイムスリップした時もあるからである。
でもやはり今日はテレビをつける気にはなれなかった。『私の街の風景』とタイムスリップの関連性が確信できなかったとしても、『私の街の風景』が放送されていて、私が17歳の頃まで住んでいた家の外観が映し出されていた時、必ずと言っていいほどタイムスリップしていたからである。
私はタイムスリップの経験をもうしたくないという思いが強くなってきたのだ。最初2010年の過去に戻れた時、現在を変えられるのではないかと思ったからである。
私が17歳の時の父と母の死を変えることはできなかったのである。結局自分が一番変えたいと思っていることを変えることができなかったのである。
私はラジオの電源を入れた。ニュースが流れると、やはり新型コロナウイルス関連のニュースが最初に流れた。いま世界中に蔓延している新型コロナウイルスが、世界中で完全に収束するのに数年は少なくともかかるという意見が流れていた。それはスペイン風を参考にして推測しているようであった。100年に一度の確率で起こるパンデミックが、この2020年の年に起こったのである。
世界中の誰もが生まれて初めて経験しているウイルス禍である。この新型コロナウイルスの恐ろしさは、無症状の感染者が多く出るということである。無症状の感染者は自分が感染していることがわからないことはもちろん他の人にも気づかれないのである。だから気がつかないうちに感染してしまう。飛沫で感染してしまう。感染者が触れたものに触っただけで感染してしまう。インフルエンザウイルスは長くても数時間だと言われているのに、新型コロナウイルスは最長三日間生きている可能性があるという。
歴史上パンデミックを引き起こした細菌やウイルスの感染者は、誰もが見てもすぐ分かる症状を起こしていることが当然であったので、感染者を隔離することで最終的には封じ込めることができた。しかし、新型コロナウイルスの感染者には無症状の感染者が多い。そのため最初は新型コロナウイルスは感染しても軽い風邪くらいの症状で済むと思われたこともあった。だが、重症者が出てその悲惨な状況に世界中が震撼した。
この新型コロナウイルスは人間の肺を好む性質があるのか、肺疾患を起こさせ、重症者には呼吸器、最悪の場合ECMO必要になり、ICUでの集中治療が必要になり、医療従事者も多く必要になり、ヨーロッパの先進国でさえ医療崩壊に陥った国があった。
無症状の感染者が多い中で、感染者を見つけ出すためにその信頼性から、PCR検査が重要視された。PCR検査の実施数が海外と比べて、あまりにも少ないことから海外の報道機関から、日本は非難されることとなった。しかし医療の専門家の中には、PCR検査の信頼性をについて100パーセントではないという人たちが少なからずいる。陽性者に対して陽性と出る確率が70パーセントだという。陰性者に対して陰性と出る確率は99パーセントだという。ということは10万人の感染者がいたとして3万には、感染していないという検査結果が出てしまうのか。10万人の感染していない人のうちの千人の人が感染しているという結果が出てしまうのか。
しかし実際はこれよりももっと確率が少ないという専門家もいるそうである。だから日本の新型コロナウイルス対策班は、クラスターに的を絞って、PCR検査を同一感染者に複数回実施しているということである。このような手法が、規制の緩さにもかかわらず、死者が少ない理由の一つとなるかどうか知らないが、政府が海外メディアにPRしないのはなぜだろうか。何もこれに限ったことではないが分からないこと理解できないことが結構あるものである。
だいたいテレビをつけて『私の街の風景』が放送されていたことが度々あったことがあまりにも偶然すぎて不思議である。
かといって、『私の街の風景』とタイムスリップを関連付ける気にはなれない。テレビの『私の街の風景』と関係なくタイムスリップした時もあるからである。
でもやはり今日はテレビをつける気にはなれなかった。『私の街の風景』とタイムスリップの関連性が確信できなかったとしても、『私の街の風景』が放送されていて、私が17歳の頃まで住んでいた家の外観が映し出されていた時、必ずと言っていいほどタイムスリップしていたからである。
私はタイムスリップの経験をもうしたくないという思いが強くなってきたのだ。最初2010年の過去に戻れた時、現在を変えられるのではないかと思ったからである。
私が17歳の時の父と母の死を変えることはできなかったのである。結局自分が一番変えたいと思っていることを変えることができなかったのである。
私はラジオの電源を入れた。ニュースが流れると、やはり新型コロナウイルス関連のニュースが最初に流れた。いま世界中に蔓延している新型コロナウイルスが、世界中で完全に収束するのに数年は少なくともかかるという意見が流れていた。それはスペイン風を参考にして推測しているようであった。100年に一度の確率で起こるパンデミックが、この2020年の年に起こったのである。
世界中の誰もが生まれて初めて経験しているウイルス禍である。この新型コロナウイルスの恐ろしさは、無症状の感染者が多く出るということである。無症状の感染者は自分が感染していることがわからないことはもちろん他の人にも気づかれないのである。だから気がつかないうちに感染してしまう。飛沫で感染してしまう。感染者が触れたものに触っただけで感染してしまう。インフルエンザウイルスは長くても数時間だと言われているのに、新型コロナウイルスは最長三日間生きている可能性があるという。
歴史上パンデミックを引き起こした細菌やウイルスの感染者は、誰もが見てもすぐ分かる症状を起こしていることが当然であったので、感染者を隔離することで最終的には封じ込めることができた。しかし、新型コロナウイルスの感染者には無症状の感染者が多い。そのため最初は新型コロナウイルスは感染しても軽い風邪くらいの症状で済むと思われたこともあった。だが、重症者が出てその悲惨な状況に世界中が震撼した。
この新型コロナウイルスは人間の肺を好む性質があるのか、肺疾患を起こさせ、重症者には呼吸器、最悪の場合ECMO必要になり、ICUでの集中治療が必要になり、医療従事者も多く必要になり、ヨーロッパの先進国でさえ医療崩壊に陥った国があった。
無症状の感染者が多い中で、感染者を見つけ出すためにその信頼性から、PCR検査が重要視された。PCR検査の実施数が海外と比べて、あまりにも少ないことから海外の報道機関から、日本は非難されることとなった。しかし医療の専門家の中には、PCR検査の信頼性をについて100パーセントではないという人たちが少なからずいる。陽性者に対して陽性と出る確率が70パーセントだという。陰性者に対して陰性と出る確率は99パーセントだという。ということは10万人の感染者がいたとして3万には、感染していないという検査結果が出てしまうのか。10万人の感染していない人のうちの千人の人が感染しているという結果が出てしまうのか。
しかし実際はこれよりももっと確率が少ないという専門家もいるそうである。だから日本の新型コロナウイルス対策班は、クラスターに的を絞って、PCR検査を同一感染者に複数回実施しているということである。このような手法が、規制の緩さにもかかわらず、死者が少ない理由の一つとなるかどうか知らないが、政府が海外メディアにPRしないのはなぜだろうか。何もこれに限ったことではないが分からないこと理解できないことが結構あるものである。