堕天使と少女

第二柱 少女と悪魔

ヘレリは目が覚めた。
周りを見渡すと変わらない部屋だった。
「……」
ヘレリは深呼吸して…
「夢じゃねぇ―!!!!!」
近所迷惑レベルの大きさで叫んだ。ため息をついて部屋を出た。
なんとなく昨日案内された食堂に行った。するとそこにはルシファーが椅子に座っていた。
色々不安だったヘレリは壁の物陰からルシファーを見た。
ルシファーはため息をついて立ち上がって言った。
「そこに隠れてるのは、ばれてるぞ。」
ヘレリはビクッとなった。
「あはは、ばれましたか…」
ヘレリは苦笑いで言った。
変な雰囲気が流れた。ヘレリは気まずそうにそこにあった椅子に座った。
二人とも黙った。しばらくするとルシファーが喋った。
「お前、名前なんていうの？。」
「あ、私はヘレリ・ヘルス・ヘレンです……。」
「そうか…。俺の名はルシファーだ。」
「へ、へぇ～…。」
「……。」
「………。」
話題がなくなってまた気まずい雰囲気が流れた。
「あ、あの…。」
「なんだ？。」
「わ、私は生贄ですよね？。」
「そうだか。」
ヘレリの質問にルシファーは素っ気なく答えた。
「…………。」
「……………。」
そしてまた気まずい雰囲気が流れた。
「あの、ちょっと買い物に付き合ってくれない？」
ルシファーは少し恥ずかしそうに言った。
「はぁ、いいですけど…。」
ヘレリはきょとんとした。
「ほら、出かけるぞ。」


城からしばらく歩き、町に着いた。そこからは色んないい匂いがした。まるでそこは普通の町だ―。
そんなわけなかった。住んでいるのはもちろん悪魔。色んな見た目をしている。
中にはＴＨA悪魔な角をを持つ者もいれば、ほぼ動物の者もいた。
(やっぱ魔界か。)
ヘレリはルシファーについていきながら町を見渡した。するとあるものが気になった。
「可愛いな～…。」
それは綺麗なワンピースだった。全体的に綺麗な緑色で、可愛らしいベルトがあった。襟は丸く真ん中に赤い宝石があった。
「……買うか？。」
「いや、あのっ……。……お願いします…。」
ヘレリは頭を下げて言った。
「いいぞ。まぁ可愛いもんな、これ。」
そう言いルシファーはその店の中に入った。
しばらくすると店からルシファーが出てきた。
「ほら、買ってきたぞ。」
ルシファーはヘレリに紙袋を渡した。中身を見るとあのワンピースだった。
「ありがとうございます！。」
ヘレリは目をキラキラさせた。
「……着るか？」
その言葉にヘレリは首がもげるほど縦にふった。
「あそこに更衣室がある、そこで着替えればいい。」
ヘレリはスキップしながら更衣室まで歩いた。

「どうでしょうか…。」
ヘレリは恥ずかしそうに言った。
「似合ってんじゃない…。」
「よかったです！」
ヘレリはニコニコ笑顔で言った。


ルシファーの買い物が終わり城に帰ってきた。
「ふぅ、荷物はそこに置いといて。」
ルシファーは椅子に座り休んだ。
(他に誰かいるのかな。)
ヘレリは疑問に思いながら荷物を置いた。
すると後ろから何か言葉が聞こえた。振り向くとそこには―
でっかいハエがいた。