Devilの教え
「自分でどうにかしなよ」

「もう会いたくもないですよお」

「なら犬に噛まれたとでも思って忘れる事だね」

「犬に噛まれた方がマシですよ。ここまでムカつかないもん」

「そりゃそうだね」

 ケケケ――と、下品な笑い声を出したアサミ先輩は、フッとあたしの後方にある部屋のドアの方へと視線を向け、「うるさいの来たよ」と苦笑混じりに声を出す。


 その直後。


「オイッス! オイッス!」

 バンッとドアが勢いよく開く音と共に、低く騒がしいスガ先輩の声が聞こえ、振り返ったあたしはすぐにスガ先輩と目が合ってしまった。


「おお、スズ! どうした、スズ! バレンタインデーにこんなトコで何してる!」

 ドタドタと大きな足音を立てて近付いてきたスガ先輩は、ドカリとあたしの隣に腰を下ろして「よお」とアサミ先輩に軽く挨拶する。
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