Devilの教え
 アスマを「悪魔」と喩えるなら、マサキさんはボヤッとした「幽霊」って感じ。


「いる」っていう存在感は圧倒的なのに、「どんな」なのか分かり辛い。


 アスマよりは少し劣るけど、それでも格好良さとしてはかなりの上物。


 色を抜きすぎた髪は白髪に近くて、黒髪のアスマと並んでると余計に白髪に見える。


 穏やかな口調で話すって部分では、アスマとは正反対。


 その穏やかな雰囲気の所為か、やっぱりアスマよりも影が薄い。


「マサキさんもアスマと友達だったんですか!?」

 アスマに寄り掛かり気味で前のめりになると、アスマは「重い」ってあたしを押し退けてくる。


 それでもアスマに寄り掛かったままマサキさんの顔を覗き込むと、マサキさんは目を細め優しく微笑んだ。
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