Devilの教え
「俺は帰って――」

「アスマのメッセージアプリのID教えて!」

 アスマの連絡先。


 スガ先輩が教えてくれないから、直接本人に聞くしかない。


 また会えるって予感が今日は全くしない。


 きっとこの機を逃したら、二度と会えなくなるって思う。


 そしてこの予感は確実に当たると思う。


「――あんだと?」

 あたしの質問が予想外だったのか、ようやく足を止めた魅惑《みわく》の悪魔は、低く困惑した声を出しあたしを見下ろした。


「はっきりしといた方がよさそうだな」

「はっきり?」
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