Devilの教え
「お前にご教授(たまわ)る時間がねえって言ってんだよ」

「今?」

「ああ。この後約束あんだよ。家帰って風呂入って出掛けなきゃなんねえ」

「そっか……」

「つー訳で、俺は行く」

「え!? あっ!」

 吸ってた煙草を足元に落とし、軽やかに踏み消したアスマは、「じゃあな」と手を上げ歩き始め――。


「ダメ! 待って! 連絡先!」

 再びあたしに背中の服を引っ張られ足を止めた。


「時間ねえっつってんだろ?」

「ID教えてってば!」

「だから懐くなって言ってんだろ」
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