Devilの教え
 数センチ開けたドアの向こう。


 窓際近くにある人影はひとつ。


 でもそれはひとりじゃなく、ふたりの影が重なってる。


「アサミ……」

 切なげな声を出したスガ先輩はその両腕でアサミ先輩を抱き締めてた。



 アサミ先輩とスガ先輩は幼馴染でただの友達。


 ふたりの間に何があるかなんて、あたしの妄想にすぎない。


 そのはずだった。


 そうじゃなきゃダメだった。


 だけど今目の前にあるのは、全てを(くつがえ)す光景。
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