Devilの教え
『――何だよ?』

「ね、ねえ、アスマ。今、どこにいる……?」

『外だ、外。さっきから今から出掛けるって言って――お前!』

「アスマ!」

 ブツブツ文句を言うアスマの声が、携帯からなだけじゃなく実際に聞こえてきた事に気付いたのは、静かなその場所に響く足音に気付いた直後。


『何でお前がここにいるんだよ!』

 慌てふためいたその声は、少し離れた場所からとスマホから同時に聞こえ、それを認識した途端、あたしはアスマへと駆け出していた。
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