Devilの教え

真相


 何て事はない。


 あたしは凄い奴だった。


 あたしが居た場所は、初めてアスマに会った駐車場から見えた、団地みたいな建物を挟んだ反対側で、唯一の明かりだった自動販売機こそが、あの時スガ先輩が見つけたっていう自動販売機だった。


 アスマと偶然会えた事も奇跡でも何でもなく、アスマは出掛ける時は基本的にこっち側の通りを使うらしい。


 それでも「運命」だと思った。


 これを「運命」と言わずして、何を「運命」と言うのかと思った。


「お前なあ……」

 心底呆れたって声を出すアスマの、機嫌を取ろうとあたしは必死で、
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