Devilの教え
「そういう紹介じゃない。ってか、そういう紹介は頼まれてもしたくねえ」

「はい?」

 理解し難い事を言ったスガ先輩は、あたしの聞き返しをものの見事にスルーして、


「スズ、明日の夜暇か? ちょっと俺に付き合え」

「え?」

 勝手にそれを決定すると、ゆっくりと腰を上げた。


「ちょっ、スガ先輩!?」

「明日な、明日」

 話の途中なのにスガ先輩は爽やかに手を振り部屋を出て行く。


 結局何が何だか分からないまま、あたしは約束を取り付けられ――。



――それがあたしがあの「悪魔」に出会う、運命的なきっかけだった。
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